いま必要とされているのは、賢さの新たな定義だ。これからの「賢さ」は、より高度な人間の思考と感情の関わりを促すことになる。新たな賢さを決定づけるのは、「何を知っているか」でも、「どのようにして知ったか」でもない。大切なのは、考え方や聞き方、関連づけの仕方、協働、そして学びの質だ。量が質に取って代わられるのだ。そして、その変化により、我々は、認知的・感情的スキルをもっと高いレベルに上げるという困難な仕事に、正面から向き合えるようになるだろう。

 我々は、オープンマインドになる訓練に、あるいは新たなデータに基づいて自分の意見をアップデートすることに、時間をかけるようになるだろう。ミスをした後に修正する練習をし、これまで心の知能指数(EQ)と関連づけられてきたスキルを磨くことに、より注力するだろう。

 新たな賢さとは、批判的思考とチームでの協働をはばむ、2つの大きな障害を克服しようとすることだ。その2つとは、エゴと恐怖である。この2つを乗り越えれば、我々は自分が見たい現実ではなく、ありのままの現実を受け止められるようになるだろう。

 そう、我々は謙虚になるのだ。このようにして、人間は、スマートテクノロジーの世界に価値を付加できるのである。


HBR.ORG原文 In the AI Age, “Being Smart” Will Mean Something Completely Different, June 19, 2017

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エド・ヘス (Ed Hess)
バージニア大学ダーデン経営大学院の教授(経営管理)。バッテン・エグゼクティブ・イン・レジデンスも兼務している。共著に、Humility Is the New Smart(未訳)がある。