●インクルージョンと共感の職場文化を構築する

 ミシガン大学のキム・キャメロン(Positive Leadership〈未訳〉著者)の調査によれば、職場の人間関係に、思いやりと支え合い、敬意と誠意、それに寛大さがあると、組織の総体的なパフォーマンスが高まる。したがって、コミュニティを促進し、温かで優しく、思いやりのある人間関係を大切にするとよいだろう。研究によれば、とりわけ共感は、バーンアウトや仕事による消耗を防ぐ効果が期待できる。ミシガン大学の教授でAwakening Compassion at Work(未訳)の共著者ジェーン・ダットンは、思いやりによって職場のレジリエンス(回復力)を高められるという、説得力のある議論を展開している。

●全社の全従業員に対し、啓発的ネットワークをつくるよう促す

 ここで言うネットワークとは、少人数のグループで、アドバイスや精神的サポートを日常的に求めることができる場のことである。大多数の企業では、こうしたネットワークの形成は成り行きに任されているが、新人研修の時期にパートナーを指名したり、メンターやコーチ、同僚と接してつながりを持ちやすくするよう工夫したりすれば、ネットワークの形成を促すことができる。つながりをつくりやすくするために、自由に過ごせる時間を設けたり、連絡先情報に加えて関連する背景情報(仕事だけでなく、趣味や関心事など)を添えて提供したりすれば、大きな効果が期待できる。

●チームとしての成果を祝う

 楽しい時間を過ごして幸せだと感じても、そうした幸福感は長続きしない。しかし、チームとしての成果を祝うようにすれば、組織内に帰属と愛着の感覚を生み出すことができる。その優れた事例の1つに、南アフリカの新規事業支援センター、アウェトゥ(Awethu)がある。ベンチャー企業に新しい従業員が採用されるたびに、ベルが鳴り、全員が作業を中断して拍手するのだ。こうした儀式は、結束を強め、帰属感を高めるため、バーンアウトを防ぐ効果を期待できる。

 孤独感とバーンアウトは企業にとって大きなリスクである。近年の研究によれば、孤独感は、英国において雇用主に毎年10億ドル単位の負担を強いている。米国でも、従業員のバーンアウトによって、医療システムで毎年1000億ドル単位のコストが生じていると推計されている。

 研究結果は明白である。いまこそ、マネジャーやリーダーが、孤独の蔓延に歯止めをかけるべく対策を講じるべき時だ。


HBR.ORG原文 Burnout at Work Isn’t Just About Exhaustion. It’s Also About Loneliness, June 29, 2017.

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エマ・セッパラ(Emma Seppala)
博士。スタンフォード大学共感と利他精神研究教育センターのサイエンス・ディレクター。『自分を大事にする人がうまくいく』の著者で、サイトFulfillment Dailyの創設者。ツイッター(@emmaseppala)と自身のウェブサイト(http://gss.norc.org)でも発信中。

マリッサ・キング(Marissa King)
イェール大学経営大学院教授。社会ネットワークと心身の健康と仕事に関する研究と講義を中心に行っている。