●リーダーの挑戦

 社会運動家とは異なり、企業のリーダーは権力を持つ立場にあることが多い。このため、リーダーは組織に変革を命ずることができるし、そうしなければならないときもある。ただし、文化を変革する際には、権力の発動には慎重になるべきだ。変革を加速したいあまり、権力を濫用してしまうケースはよく起こりがちである。

 また、企業のリーダーは組織の軋轢を敬遠しがちだ。結局のところ、一般的には調和が好まれるからである。加えて、企業変革の成果は「いかに円滑に進んだか」でもって評価されることが多い。

 しかし、運動に根ざした変革アプローチでは、適度な軋轢がプラスに働く。摩擦が皆無ということはおそらく、実質的な変化がほとんどないということだ。運動が抵抗に遭い、軋轢を生んでいる場所に目を向けよう。まさにそこが、主流の組織形態と文化に進化を求めている場所であることが多い。

 さらに留意すべきことがある。文化の変革は、人々が行動を起こすときにのみ実現する。したがって、まずここから始めよう。ミッションの表現や組織形態の変更も重要だが、先に期待すべき変化を社員に身をもって示してからのほうが、そうした課題がうまくいく可能性は高まるのだ。


HBR.ORG原文:Changing Company Culture Requires a Movement, Not a Mandate  June 20, 2017

■こちらの記事もおすすめします
組織に新しいアイデアを広める7つの方法
「組織文化を変える」を目標にしてはいけない

 

ブライアン・ウォーカー(Bryan Walker)
IDEO サンフランシスコオフィスのパートナー兼マネージングディレクター。

サラ A. ソウル(Sarah A. Soule)
スタンフォード経営大学院のモーグリッジ記念組織行動学教授、学務担当上級副学部長。