こうした調査結果を踏まえ、アクセンチュア戦略コンサルティング本部マネジング・ディレクター、高砂氏は「多くのビジネスパーソンが変化を前向きに捉え、自身の成長を望む中で、企業経営者が人材開発にどう向き合うべきかが今後の重要な課題となる」と分析する。

“スキル革命”は企業と従業員
双方にメリットをもたらす

高砂哲男(たかさご・てつお)
アクセンチュア 戦略コンサルティング本部
通信・メディア・ハイテク
マネジング・ディレクター
慶應義塾大学法学部卒業。大手エレクトロニクスメーカーを経て2001年アクセンチュア入社。通信、ハイテク、製造業、サービス業など幅広い業界において企業変革、事業戦略、M&A、人材戦略等のコンサルティングに従事。またトレーニング担当等を歴任し、企業の人材開発分野に深く関わっている。

 企業を取り巻く環境は、従来の雇用・働き方の前提が変わったことで大きく様変わりしている。このレポートでは、具体的な変化として次の4つを挙げる。

 まずは「テクノロジーの進化・浸透」。AIやロボティクスによる労働力の代替が進む一方、企画業務やコンサル営業など価値創出業務の重要性は増し、IoT、サイバーセキュリティなど先進領域においては新しい仕事が生まれている。

 2つめは「職業人生の長期化」。労働者の働く期間は長くなる一方、企業の寿命はどんどん短くなっている。一つの企業でキャリアを終えるというケースが少なくなっていくことが予想される。

 3つめは「人口減少と高齢化」。日本では働き手が減少に転じ、労働力の中心が45歳以上にシフトしている。2030年には45歳以上の労働者が50%を超える見通しだ。

 そして最後は「価値観の多様化」。仕事に対する目的・価値観も常に変化しており、新社会人の意識調査によると近年、「豊かで楽しい生活」のために働きたい人が増えている。

「調査結果や環境変化を踏まえると、労働者のキャリアチェンジの必要性は高まる一方、スキル習得への十分な準備ができていないことがわかります。また、労働者の職業人生が長期化し、価値観も多様化する中、企業が優秀な人材・労働力を引き寄せるためには、変化に適応しつつ、生産性を高める働き方改革が必要。労働者一人あたりの付加価値を最大化することにより、企業と従業員双方にメリットをもたらす変革が鍵となります。それが“スキル革命”です」(高砂氏)