メールは対面ほどの効果がないのが明らかなのに、なぜ同程度に効果があると一般に考えられているのか。一連の我々の調査では、参加者はメールを送信する時点で、自身の信用性と、依頼しようとしている行為の正当性に疑念をほとんど持っていなかった。そのため、彼らが送るメールが受け手にどう見えるのか、つまり、怪しげなリンクをクリックするよう依頼してくる信用できないメールに見えかねないということが、予測できなかったのだ。

 実際、我々は別の調査で同じ結果を得た際、アンケートの依頼を受けた人が、そのアンケートを正当なものとして受け入れるかどうかは、対面で依頼している参加者が発する非言語的シグナルで決まることが明らかになった。ところが参加者は、この事実に気がつかずにいた。

 あなたのオフィスのコミュニケーションがEメールとテキスト送信を基盤にしているのなら、直接会話をすることでより効果的なコミュニケーションがとれるのではないか。この点は検討に値する。

 誰かと直接接触するよりも、メールやテキストによるコミュニケーションのほうがより便利で快適である場合が多い。だが、電子メディアの有効性を過大評価すれば、影響力の劣る手段を習慣的に、無意識のうちに選択していることになる。


HBR.ORG原文 A Face-to-Face Request Is 34 Times More Successful than an Email,  April 11, 2017

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バネッサ K. ボーンズ(Vanessa K. Bohns)
コーネル大学ILRスクールの助教授。組織行動学を担当。