●メモからテーマを書き出す。
 話し合いでさまざまなトピックが取り上げられるなかで、共通のテーマは何か。さまざまな発言がどのように関連し合っているか。個々の話が共通して語っている「より大きなストーリー」は何か。アリの事例では、チーム文化についての所見が、このテーマに相当した。

●疑問を記入し、印を付け、適切な時を見計らってチームに問いかける。
 プロジェクトの他にインフラとマーケティング全般にわたる削減について質問するタイミングを、アリは会議の終わりまで待った。その理由はまず、プロジェクトについて必要となる困難なトレードオフから焦点をそらさないためだった。また、個人の間のダイナミクスについては、会議中に他のチームメンバーを正面から批判するのを避け、ブレンダとの個別の打ち合わせの際に持ち出した。その結果、アリは同僚を非難したり、恥ずかしい思いをさせたりすることを避けつつ、プレンダには今後の会議におけるコミュニケーション改善に必要な環境を創出する機会を提供できた。

●思い込みを検証する。
 会議中に総論が初めて話題に上った場合は、具体的行動を考える前に、あらゆる角度から検討しよう。アリの場合、予算削減を実施する方法をいくつか考えたうえ、単に予算を縮小する代わりに資金を増やす方法がないのかも探った。

●言葉にされていないことに注目する。
 言葉にされてないことと、非言語コミュニケーションは、ともに情報の宝庫だ。アリは、質問したり、前提に疑問を呈したりするメンバーが1人もいないことに気づいた。つまり、メンバーたちはすぐさま特定のプロジェクトを話題にして、早急に予算削減の実施について議論し出した。
 さらに、アリは非言語的行動のいくつかにも目を向けた。ジョンとジョシュがプロジェクトについて話す時、彼らはブレンダと目を合わせるだけで、お互いに顔を見合わせたり、他のメンバーに顔を向けたりすることが1度もなかった。そのためアリは、ジョンとジョシュが競い合って、相手のプロジェクトよりも自分が手がけるプロジェクトのほうがメリットがあると、ブレンダに売り込もうとしているのではないかと思うに至った。そこで彼は、個別の打ち合わせでブレンダにこの懸念を提起し、両方のプロジェクトをより深く検討できるようにした。

●何をいま相手に伝えるべきかを見極める。
 特に会議の場では「余白メモ」に記したすべてを伝える必要はない。アリはただ3つの質問をすることで、会議の流れを変えた。その後、彼は他の懸案事項のいくつかについて、ブレンダとの個別の打ち合わせでフォローアップした。また優先順位の高い案件が解決するまで待てる点については、メモに印を付けるに留めた。

 他の出席者たちの言葉を書き留めることで、彼らの発言の流れを追いやすくなる。また、各要点の隣にあなたの考えを記入することで、まだ話し合いの内容を消化している最中でも、重要なフォローアップを忘れずに済む。

 会議の場での話し合いにきちんと耳を傾けることができれば、要点を関連づけ、より説得力を持ってあなたのアイデアを述べることができる。これが最終的には、会議中により実質的な成果を上げることになるのだ。 


HBR.ORG 原文 Become a Better Listener by Taking Notes March 24, 2017

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サビーナ・ナワズ(Sabina Nawaz)
CEOおよびエグゼクティブへのコーチ、リーダーシップに関する基調講演者、ライター。26ヵ国以上で活躍し、フォーチュン500企業、政府機関、非営利団体、学術機関の最高幹部にアドバイスを提供している。HBR.orgに加えて、FastCompany.com、Inc.com、Forbes.comにも寄稿している。ツイッターでも発信している。