未来を「形づくる」戦略を練り
ロードマップを描く

岩佐 企業には、従来の商流や定番を壊していく勇気も求められると思います。

牧岡 そうですね。壊して、また作り直す覚悟と実行力が必要です。アクセンチュア・ストラテジーでは、"We Shape"というコンセプトが思考・行動原則の基礎です。机上の戦略ではなく、クライアントと共に未来を「形づくる」戦略を練り、これから目指すべき姿へのロードマップを描いています。

岩佐 マーケティング学者のセオドア・レビッドは、約60年前に米国の鉄道会社が衰退したのは、自社の事業領域を「鉄道事業」と定義したからで、「人やモノを輸送すること」と定義していれば、自動車や飛行機が開発された時にそれらを取り入れて成長し続けることができたはずだと言っています。これはまさに今、自動車業界に求められていることではないでしょうか。「自動車をつくること」ではなく、「移動を提供する」と定義すれば、どんどん攻めていくことができます。

牧岡 確かに、もう従来の産業分類上の区分けには意味がなくなっています。あらゆる業界と業態がオーバーラップしてきています。

 それに対応するため、従来にはない新鮮で広い視野で経営者と対話ができるように多様な人材をそろえているのも、アクセンチュア・ストラテジーの強みの1つです。私のように他の戦略ファームから来たメンバーや、事業会社、デジタル・IT業界、当社の他部門経験者など、様々なバックグランドを持つ人材が一体となって、クライアントの未来をShapeするダイナミックなカルチャーがあります。

 デジタル時代の経営戦略に関してもう1つ加えると、コストを極力、変動費化することが重要と思います。従来の自社のビジネスモデルに固執せずに創造と破壊を高速で続けていく上では、コアとして自社で持つべき機能以外は大胆にアウトソーシングしていくことが求められるでしょう。

岩佐 アクセンチュアは有数のアウトソーサーですが、スケールメリットもありますから、その変動費も安く抑えることができそうですね。人材と資金を本来のビジネスのコアに集中させるという狙いを支援できるということですね。

牧岡 テクノロジーは、まさに日進月歩ですから、例えばバックオフィス業務だけをとってみても最新のテクノロジーを活用した業務高度化、効率化の果実を享受し続けるのは非常に困難でしょう。こうした部分までサポートできないと、これまでお話させていただいたようなディスラプトする戦略立案とその成果の実現をサポートすることはできません。

岩佐 今日のお話で一番印象的だったのは、破壊する側になるか、破壊される側になるかということでした。アクセンチュア・ストラテジー自身がデジタル化を先取りし、クライアントと共にデジタル・ディスラプションを成し遂げていこうという姿勢を強く感じました。あらゆる企業の将来をも左右する重要なお話だったと思います。ありがとうございました。

デジタル時代の企業戦略について、大いに語り合った2人

(構成/河合起季、ダイヤモンド社クロスメディア事業局 撮影/宇佐見利明)

※取材時点(2017年3月10日)では、岩佐はDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集長を務めていた。

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