・まずは自分自身の完璧主義を確認する
 あなた自身、非現実的な自己基準や自己批判に苦しんだことはないだろうか。もしあれば、指導相手にどんなロールモデルを提示するとよいか、特に注意を払おう。また、相手の自滅的な完璧主義を正面から、またはそれとなく是認してしまうリスクがあることを認識しよう。

・是認、承認、奨励、支援に特化したメンタリングをする
 成果ではなく、何よりもまず相手の価値について話をしよう。指導相手が基準を満たせなかったり、失敗したと思い込んだりしているときは、好奇心や探求心、うまくいかなかったことに立ち向かう気持ちと、前に進むための別のやり方を見出せるようにサポートしよう。

・指導相手の完璧主義思考や行動をしっかりと、ただし思いやりを持って明らかにする
 完璧主義が求めるものは非合理的であると認め、否定することを学ぶよう促そう。それには、ピーター・フォーク演じる刑事コロンボ流の巧みな質問術が役に立つ(ちょっとわからないんだがね、自分が完璧だと君は言うよね。でも、私たちと同じように君も人間に見えるんだ。人は間違いを犯すものだ。そこのところを、教えてくれないか?)

・タイミングを見計らい、自分自身のミスや失敗について打ち明ける
 失敗からどんな教訓を得て、失敗によってどんなふうに成長したか。さらに大事なことだが、不完全な卓越を目指す不完全な人間として、どのように自分自身を受け入れ、自分を好きになったかを指導相手に示そう。

・持っていない能力を持っているかのように装わない
「私もわからないから一緒に調べよう」という言葉がしばしば役に立つ。答えをすべて知らなくてもいいのだと、相手を安心させることにつながるからだ。

・思いやりのあるユーモアを活用する
 完璧主義者の不安に満ちた世界では、共感を示すユーモアが不安な心への処方箋となりえる。たとえば、不合理な自己要求が「~しなければ」という形で頻繁かつ頑なに表現されている場合、メンターは軽い調子で、「いくら『せねばならぬ』と思っても、そうそううまくはいかないよね。もう少し無理のないやり方をしてみよう」と伝えるのだ。あるいは、些細なことをこの世の終わりのようにとらえがちな相手の一面を、逆説的なユーモアで指摘しよう。「ああ、たしかに君の言う通りなんだろうね。君が今日の午後の会議で完璧なプレゼンをしなかったら、君も私も即座にクビになってホームレスとなり、二度と仕事を見つけられないだろうな」と。

・完璧主義者が最も恐れる「不完全」を受け入れるよう促す
 指導相手との合意のもと、わざと小さなミスを犯し、それを修正しない体験をさせよう。たとえば、誤字脱字だらけのEメールを自分に送らせ、それによって生じる不安に耐えるように指導する。

・完璧主義者のサポートは難しいと認めて受け入れる
 さらに、自分はまったく不完全なメンターであることを認めよう。


HBR.ORG原文:How to Mentor a Perfectionist, February, 21, 2017

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W. ブラッド・ジョンソン (W. Brad Johnson)
米国海軍兵学校のリーダーシップ・倫理・法学部の心理学教授であり、ジョンズホプキンス大学ファカルティ・アソシエート。メンタリングに関する多くの著書がある。Athena Rising: How and Why Men Should Mentor Womenの共著者。

デビッド G. スミス (David G. Smith)
米国海軍の現役大佐で、米国海軍兵学校のリーダーシップ・倫理・法学部の社会学助教授。Athena Rising: How and Why Men Should Mentor Womenの共著者。共働き家庭、軍人家族、軍における女性、女性の定着など、ジェンダー、仕事、家族問題について研究している。