PRバリューを最大化する

 PRによりメディアに掲載される効果を高めるには、世の中ゴトになるようなPRバリューがあることが必須条件だと考えている。メディアは、一企業のプロモーションには関心がなく、あくまで読者にとって新しい価値があったり、業界に変化を与えるような価値があったりといった、世の中ゴトとして価値のあるニュースでなければ掲載はしない。ここで、世の中ゴトにするための代表的な手法を3つご紹介したい。

 1つは、提供する商品やサービスそのものに、世の中ゴトになりうるニュース性があることだ。「マックの裏メニュー」の例では、「どの店舗でも同じ味を提供する」ファストフードチェーンのマクドナルドが、「お客様のニーズに合わせてカスタマイズする」ということは、一企業の域を超えて業界的にインパクトを与えるニュース性があった。その上で、その商品やサービスに、分かりやすくてキャッチーなニュース性があればなお価値は高まる。「マックの裏メニュー」というネーミングや、「285種類」といった数字は効果的であるし、「史上初」といった新しさもPRバリューは高い。

 2つ目として、パートナーシップやアライアンスも効果的な手法の一つといえる。大きな企業同士や、意外な組み合わせの企業同士が組むことで、PRバリューが高まり、メディア露出する可能性が高まる。前回紹介したポケモンGOがまさにこの手法に該当する。ナイアンテック社が開発するARを用いたゲームに、ポケモンという強いコンテンツを掛け合わせたことが既に効果的なパートナーシップであった。マクドナルドは、そこにさらにパートナーとして加わることで、話題性を増幅させることができたのだ。

 3つ目は、すでに世の中ゴトになっているものを借りるという手法だ。世の中のトレンドに合致した商品・サービスを提供したり、世の中ゴトになっている話題のセレブリティに出演いただいたり、という活動がこれに該当する。たとえば、昨年末のクリスマス3日間限定で、チキンマックナゲット30ピースをお得な価格で提供するキャンペーンを実施したが、PRイベントでは、その年に流行したセレブリティ(メイプル超合金さん)に登場いただいた。旬の芸人さんにお越しいただくことで、TVを中心とした非常に多くのメディアにとりあげていただくことができたのだ。

 そして重要なことは、一発当てて終わりとならないよう、これら3つを駆使し、組織として継続的にPRバリューを高め続けてゆくことだ。そのためには、KPIに落とし込むことが欠かせない。設定すべき指標はビジネスやサービスにより異なるが、何かしらの数値を追いかけることで、組織として統一した方向に意識を向け、行動を変えることができると考えている。

 このように、自社の商品やサービスを世の中ゴト化できたとき、初めてPRバリューが最大化され、メディアを通して消費者へと訴えかけることができ、「広めていただく」ことができるのである。

第3回につづく。