PRでは、ソーシャルでの拡散まで見通す

 このようにして、PRバリューを最大化することにより、「マックの裏メニュー」はTVニュースや新聞、ウェブ記事等で大々的に取り上げられ、多くの消費者にリーチすることができた。

 PRによる拡散効果は非常に大きいが、ここで意識したいのは、ソーシャルでのさらなる拡散である。TV離れが進み、ウェブ記事よりもソーシャルの情報に触れる機会の多い消費者が増加するなか、PRを通じてメッセージを伝えようとしても、そもそもその媒体に触れない消費者も多い。そうした消費者にも広くリーチするためには、ソーシャルにより消費者から広げていただくことが必要となる。さらにソーシャルは、身近な友人・知人の声を通じて届けられるため、そのメッセージはより信憑性を増し、ブランドとの距離を近づけてくれる。ソーシャルを活用することで、PR活動の価値は何倍にも膨れ上がるのだ。

「マックの裏メニュー」においては、消費者によるソーシャルでの拡散まで意図してチームは計画していた。トッピングに過ぎないこの商品を、「裏メニュー」とあえて呼んだのはそのためである。「ベーコンがトッピングできます」と伝えるのと、「いつものあの商品に『裏メニュー』が出ました」と伝えるのとで、どちらが魅力的だろうか。後者の方が気になるし、どういうメニューがあるのか調べたくなるし、試してみたくなる方が多いのではないだろうか。

 これによりソーシャル上では、「てりやきバーガー好きの自分としては、ハラペーニョ載せはとても楽しみ!」という声や、「チキンフィレオにベーコンを載せた自分オリジナルがお気に入り!」といった声が挙がった。このように、自分の意見を気軽に言えるような環境を提供することは、ソーシャルでの拡散を促進する上では効果的な方法である。そして、投稿を見た他の消費者が、自分流を試してみて更にアップする、という行動の連鎖につながり拡散していった。

 加えてソーシャルでは、「そもそも裏メニューって、メニュー表にない『隠れたメニュー』なのに、広告してしまっては表なのでは・・・」といった突っ込みも多くいただいた。実はこうした指摘は元から想定して企画しており、むしろあえて突っ込みやすくしておくことで、突っ込んでいただき「笑えるネタ」としての拡散を狙っていた。さらに、ポスター類の商品名も、パッケージの商品名も「裏返し」にすることで、「裏メニューって、確かに印刷が裏に・・・」と突っ込んでいただく余地も用意するほどの徹底ぶりであった。