人生の選択肢をいかに増やすか

 私たちが未来に対して不安を抱く時、それは「自分に選択権がなくなる」ことを恐れているのではないだろうか。本書では新しいスキルや知識、新しい人的ネットワークなどへの投資を積極的に行う「自己の再創造」の重要性を説く。働く期間が長くなることは確実である。そうなれば、自分の適性を早めに判断するよりも、自分が何をすることを好み、何が得意かを発見していくステージや自分で職を生み出すステージ、異なる種類の活動を同時におこなうステージなどが新たに生まれる。これらを柔軟に受け入れ、移行できるようにするためには、同じ自分で留まっていてはいけない。未来を見据えて、自己の再創造を行うことで、自分が状況を選び取れる状態をつくっておくのだ。

 本書の中には、下記のような文章があった。

「一人ひとりの選択と価値観が人生の出来事やステージや移行の順序を決め、それが自己意識、つまりアイデンティティを築いていくのだ」

「人生が長くなり、多くの移行を経験する時代には、人生全体を貫く要素がなにかを意識的に問わなくてはならない。さまざまな変化を重ねつつも、自分の本質であり続ける要素とは、なんなのか?」

 未来を予測することは難しくはあるが、どのような時代にあっても、どう生きたいかは、自分で答えを出せる問題である。これから訪れる未知なる世界を恐れるよりも、常に自分はどう生きたいかを問い続けて、選択し続けること。受け身の人生を脱却することが、長い人生を歩むであろう私たちには求められるのだ。