【第2回授業体験】

野村恭彦教授

 第2回目は、平日の夜7時からスタートした。科目は、野村恭彦教授の「イノベーション・ファシリテーション特論2」だ。富士ゼロックスでグループウェア研究やナレッジ戦略などをリードした経歴があり、現在は株式会社フューチャーセッションズを立ち上げ、企業・行政・NGOのセクターを横断した対話と協業によるソーシャルイノベーションを推進している教授である。

 授業の題目は「未来シナリオ・イノベーション」。組織や地域のステークホルダーと一緒に未来シナリオをつくることで、組織や地域を旧来の狭い視野から解き放ち、イノベーションに向かってプロジェクトを進める。そのための方法論とファシリテータースキルを身に付けるのが目的である。この日は最終日で、外部から参加者を募り、学生たちは授業のチーム試験さながらファシリテーターの役割を担う、公開の“フューチャーセッション”を開催した。

多様な未来像から
バックキャスティングで新たなアイデアを生み出す

椅子を円形に並べて相手の話を「傾聴」する練習

 セッションが始まると、フラットな関係づくりを図るため、椅子を円形に並べて全員の顔が見える形で、ペアになって自己紹介と、簡単な対話と傾聴の練習をした。再び机に戻り、今度は4つのグループに分かれる。この日のテーマは「くらしの未来」。各グループは、未来を動かす「ドライビングフォース(原動力)」を特定し、未来を左右する「分かれ道」になるような要因を見つけ、マトリックスを作って4つのシナリオを考える。

グループでのアイディア出し。さまざまな考え方に接し自分の考えの狭さを知った

 「グループ内のディスカッションでは、所属する業界によって、全く意見が異なることに驚きました。意見が違っても、その理由を聞くと理にかなっている。また一見ネガティブに見えるシナリオでも、それを悲観的に捉える人と楽観的に捉える人がいる。自分の考え方の狭さに気づきました」と言う山田。最初はなかなかアイデアが出ず、皆の手が動かなかったが、ファシリテーターの適切なアドバイスがあり、そのうち討論するのに十分なアイデアが集まった。

 未来シナリオ・ファシリテーションには、明確なチェックポイントが示されている。例えば、課題のリフレーミングは明確で、期待感を持って取り組めたか? ドライビングフォースや分かれ道は、納得感のあるフレッシュな視点を得られたか? 等々。

 「特に、未来シナリオからバックキャスティング(未来の仮説から振り返って予測すること)してゆく作業は新鮮で、そこから新たなアイデアやマインドセットが生まれることを実感できました。描いた未来シナリオ(世界観)も想像力をかきたてられました」(山田)

 

<PR>