授業を通じて“考え方のフレームワーク”を
身体の中に叩き込まれる

 この日の授業テーマは「B2B (法人向け)CRMの考え方と具体事例」。三谷教授は、B2B CRMの特徴として、顧客は特定されているが、だれが本当の顧客(DMU)なのかが複雑で、意思決定構造が企業ごとにバラバラであると指摘。素材型、部品型、組立型でエンドユーザーまでの階層は異なり、アプローチする場合は、これまでより一つ先の「顧客」まで考える必要があると解説した。

 「いきなり実践的で驚きました。B2Bの営業は自分の日常業務なので関心がありましたが、具体的に事業階層が深い素材系のメーカーである東レや信越化学などの事例を出しながら解説していただいたので、非常に分かりやすかった。これまで自分が無意識にやっていたことが、体系づけられ論理的に解説されたので、非常に納得感が強い」(山田)

講義は一方的でなく、学生たちにどんどん質問をぶつけていく

 授業は三谷教授がパワーポイントを使って解説。歴史的な事例も数多くあり、講義は興味深い。だが一方的な講義ではなく、学生たちにどんどん質問をぶつけてゆく。もちろんこれまでのCRMの授業の理解や、課題図書を読了しているという前提で進められる。

 印象的だったのは、学生の発言すべてに対して三谷教授が「それじゃ、顧客と提供価値がつながっていないからCRM的じゃない」「今のは狙うべき顧客価値(LTV)から入っているからOK」というスタンスで指導を行っていたこと。書籍の予習を通じて、顧客との関係性を強めて収益性を上げるCRMの概念は理解したものの、自らの捉え方や伝え方をその場で即座に肯定、否定される方法はかなり新鮮だったと言う。

考え方のフレームワークを叩きこまれた気がした

「一言でいうならば、授業を通じてCRMという“考え方のフレームワーク”を、身体の中に叩き込まれるという感覚を味わいました。これは書籍での勉強では不可能なことで、少人数の授業だからこそ実現できること。K.I.T.虎ノ門大学院の本質はここにあると感じました」(山田)

参加のハードルが高くなく、
発言しやすい雰囲気

 授業はその後、チャネルの多様化によって顧客はどう進化するか、チャネル統合によるインパクトはどの程度で、顧客視点での営業改革はどうあるべきか、と進み、休憩を挟んで2時限目に突入。ここではPC事業におけるシェア倍増CRM戦略を具体的に構築するという演習が行われた。

 学生たちに与えられたミッションは、あるメーカーのPC部長として、大学生市場(年100万台)での自社売上高を2年で今の倍にするためのCRM戦略を立案せよ、というもの。なおPC本体の新規開発はなく、販促費等の投資は限界利益の2割とする、などの詳細な条件が与えられた。

一緒に学ぶ仲間がいる喜びを感じた

 学生たちは、新入生の引っ越しを販促チャネルとして使う、あるいは就活ソフトとセットで共同購買させる方法や、研究室などへの集団割引を考案。またターゲットを大学に絞り、学生への無償貸与PCのシステムを構築する作戦なども提案。それに対する質疑応答が行われ、授業は文字通り“白熱教室”と化した。

 「授業のレベルは高いのですが、思ったよりも参加のハードルが高くなく、とても発言しやすい雰囲気でした。学生はさまざまな業界から来ていて、皆学ぶ意識が高い。授業の内容もさることながら、仲間と一緒に成長していけるという意識が芽生えました」(山田)

 

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