お金について、だれもが自然と学べるサービスを

――ITを活用した金融サービスを提供するに至った経緯と、起業のきっかけは何だったですか。

 もともとソニーで経理をやっていたのですが、マネックス証券に出向し、マーケティング担当や社長室長などを経験しました。そのときに、お金の知識がなくて、損をされる方をたくさん見てきて、お金についてもっとユーザーサイドに立ったサービスが必要だろうと考え、起業しました。

 お金に対しては、だれもが漠然とした不安を抱えていますが、なかなか勉強する機会はありません。自然と学べるようなサービスができないかと思い、個人向けサービスの開発からスタートしました。結局、お金って、将来こうなりたいとか、住宅を購入したら住宅ローンがいくらだとか、子どもが何人いれば教育費はいくらだとか、ある程度シミュレーションできます。じゃあ、そこに到達するためにはどうしたらいいのか、まずはスタート地点を確認する必要があるということで、現状把握のツールとして開発したのが、自動家計簿・資産管理サービスだったのです。

――自動家計簿・資産管理サービスのユーザー数は400万人弱だそうですが、リリース当初から、ビジネスとしての勝算はあったのでしょうか。

 「これならいける」と思ったことはなくて、こういうサービスがあったほうがいいなと思っていて、でもなかったので自分でつくろうと起業しました。大きなブレークスルーになったのは、やはりスマホの存在ですね。PCだと、自宅に帰って、起動する必要がありますが、スマホならいつでも、どこでも手軽に見れます。アプリ上でグラフも見やすく表示されますから、直感的に情報がわかる。類似するサービスは昔からありましたが、以前は利用していなかったけれど、スマホになって、UXの良さで使うようになったという人は結構います。

 加えて、学習機能を持っているので、ある程度、自分でやらなくても自動で家計簿をつけたり、資産管理ができます。この手軽さもブレークスルーの一つです。放っておいても、面倒な家計簿がつけられるし、家計診断や未来のシミュレーションができます。最近では、保有する不動産についても、参考価格に基づいて資産価値が表示されるようになり、網羅性はますます向上するとともに、ユーザーも増えています。