電力・ガス会社の従業員の再活性化

 明るい未来を確実にするためには、電力・ガス会社のリーダーは、デジタルに強く、成長を促すために適したスキルと思考と行動を備え、ニーズに柔軟に対応することができる、将来型の従業員を構築する必要があります。準備は今すぐ、トップから、始めなければなりません。

従業員を戦略に組み込む
 デジタルはビジネスの形成に役立ちますが、そのためにはオペレーションの全領域に適切なスキルが導入されていなければなりません。だからこそ、戦略実行段階においては、前向きな従業員を戦略の中心に含めることが必要です。例えば、電力・ガス会社はサイバーセキュリティの専門家を社内に抱えるためにこれからも投資を続けるのでしょうか、それとも、急速に成長していて、最先端のインテリジェンス・テクノロジーとアナリティクスの経験を提供してくれる、サードパーティーの専門家と提携するのでしょうか? よく考えてアプローチすれば、電力・ガス会社の経営幹部は、より小規模な従業員とよりダイナミックなバリュープロポジションによる削減分を、デジタルのテクノロジーおよびケイパビリティによって可能になる継続的なイノベーションに振り向けることができるでしょう。

トップからスキルを再構築する
 電力・ガス会社における従業員の高齢化問題は、ライン労働者、アセットマネジャーあるいはエンジニアに集中しています。しかし、将来の成長に等しく重要なのは、リーダー層が、重大な組織変革を実現し、持続させられる能力を持っていることです。例えば、自社のリーダーチームは、設備から得られた情報を元に、業務に関する意思決定権を職員に委譲する準備ができているでしょうか? ビジョンを新たにした電力・ガス事業を効果的に運営するには、リーダーはこれまでよりも更に、社内外の枠組みを超えて行動する必要があります。他業種のサービスプロバイダーと効果的なパートナーシップを築き、従業員さらには新旧のステークホルダーと結束する方法を見つけることが求められています。リーダーが成功するためにはダイナミックで、創造性に富み、協調力があり、変革を見通せることが重要です。

新たな従業員に提供する業務経験を強化する
 電力・ガス会社の人材戦略がビジネス戦略の中心にあるなら、従業員へのバリュープロポジションは人材戦略の中心にあります。たとえば、新たに採用された従業員は、彼らが期待するゲーミフィケーションによる学習システムを活用することができるでしょうか、あるいは既存のOJTを強いられるのでしょうか? 採用、育成から昇進、定着まで、従業員エクスペリエンスの各部分を、変化する従業員の優先順位に合わせて再考し、適合させるべきです。そのためには、HR部門のミッションとスキルセットを再考する必要もあるかもしれません。彼らもまた、バックオフィスで従順に指示に従う立場から積極的なビジネスパートナーに変化することが求められています。

 すべての業界の組織は将来の従業員象について、日々、議論を重ねています。電力・ガス業界の将来への扉は今、開き始めたところです。デジタルケイパビリティを活用する強力なリーダーシップと堅固な戦略を、人と技術の両面で持っていれば、電力・ガス会社は重大な機会を逃すことなく、現在の変革の波に乗れる俊敏な組織を構築することができます。