デジタルは人々の生産性を増幅させる
―それを許す文化があれば

 コスト削減圧力の増大、監督省庁による監視強化、エネルギー管理に対する顧客の意識の高まりなどを背景に、より迅速かつ賢明に業務を推進する方法を電力・ガス会社は模索しています。ここでこそ、デジタルテクノロジーは大きな役割を担います。業務プロセスを合理化し、コストを削減し、そして、業務運営に必要な人材のスキル要件を変革するのです。

  • 現場の運営担当者は紙ベースでの報告作業から解放され、モバイルを活用してスケジュール管理を行い、現場でリアルタイムの支援を受けるようになります。
  • アセットマネジャーは、定期的なメンテナンススケジュールに従うのではなく、リアルタイムデータに基づいて、個々の設備の性能や劣化状況からメンテナンスの必要性を評価できるようになります。

 ただし、デジタルソリューションを現在のオペレーティングモデルに組み込むのは出発点であって、ゴールではありません。

 電力・ガス会社は通常、要員削減に懐疑的です。それでも今、従業員の高齢化に伴う要員縮小に先駆けて行動を起こせば、従業員に求めるスキル要件を刷新し、台頭してきたデジタルケイパビリティに再投資する絶好の機会になります。このアプローチは、エンジニアリングからオペレーション、アセット管理、顧客サポート、さらには財務やサプライチェーンといった本社機能まで、電力・ガス会社内のあらゆる部署で有効です。

 電力・ガス会社はデジタル変革を受け入れ、従来の人材戦略やスキル要件を大幅に見直す準備がどれほどできているでしょうか? アクセンチュア・ストラテジーが150以上の組織で行なわれた250件の主要な変革施策を分析したところ2、変革施策全体のうち半分以下しか持続しないことが明らかになりました。これはビジョンやコミュニケーションの失敗によるものではなく、時間が経つにつれ現状が定着してしまい、結果、リーダーの自信が低下しまうことが原因です。持続的な変革を実現するためには、リーダーは果敢に行動し、チャンスを掴み、個人とチームに目標達成に対する責任を付与する必要があります。こうしたアクションは、安定性や経験、合意重視の企業文化の変革を必然的に伴います。

出典

2 これらのイニシアチブには、リストラクチャリング、買収、テクノロジー・インプリメンテーション、コスト削減、ダウンサイジング、新製品上市などが含まれます。調査対象となった組織は、25カ国、50業界に幅広く渡っています。