経営モデルの見直し

 自動車メーカーは、ビジネスとIT、コネクティビティ・エコシステム全体とのオープンな結びつきを統合することで、自社の経営モデルを見直し、コネクテッド・ビークル・ソリューションがもたらす価値を最大化しなければなりません。

 まず構造的な点から言うと、自動車メーカーのコネクテッド・ビークル・ビジネスは、①高い柔軟性を持たせることで、急速に変化する市場トレンドに対応、②市場のポテンシャルを見極めるために、さまざまな開発案を「試運転」、③適切な第三者との提携を通じた新たなサービスの設計/開発、という3つの戦略をベースとした見直しが必要です。見直しのプロセスは、組織内で戦略的に優先され、必要な能力を備えた、小規模な専門のチームによって主導されることが望ましいでしょう。また、部門横断的にさまざまなスキルを組み合わせて利用する、主な地理的領域からの積極的な参加を促すといった取り組みも必要です。このようなアプローチによって、自動車メーカーはコネクテッド・ビークル・ビジネスを全社的なレベルで戦略的な優先課題としながら、各市場に最適なサービスを提供していけるはずです。

 戦略の実践面では、ソフトウェア開発をはじめとして、全社的に新たなスキルを身につけることで、新たなコネクテッド・ビークル・サービスを生み出し、最終消費者との関係を適切に管理することも重要です。また、テクノロジーのイノベーション・サイクルの短縮化や頻繁な製品イノベーションに対する消費者ニーズの高まりを考えると、効率性に優れたリーン・プロセスとオープン・イノベーションの追求も不可欠でしょう。

 最後に技術の面では、標準APIを含むオープン・テクノロジー・アーキテクチャがなければ、サードパーティのアプリとサービスをシームレスに統合することはできません。また、ビッグデータ、アナリティクス、クラウド技術の活用によるデータドリブンなサービスの創出も重要です(図4参照)

出所:アクセンチュア

道は続いている

 コネクテッド・ビークル・ビジネスが、自動車業界を一新する大変革であることは間違いありません。コネクテッド・ビークル・ビジネスを「コネクテッド・ライフ・ビジネス」という大きな成長戦略の柱に据えようとしている大手テクノロジー企業に対して、自動車メーカーが市場シェアを守るための効果的な策はまだ明確ではありません。

参考リンク
●コネクテッド・ビークル
https://www.accenture.com/jp-ja/insight-connected-vehicle
●オープン・イノベーション
https://www.accenture.com/jp-ja/insight-b20-digital-collaboration