コネクティビティの有効活用(2)

■データの収益化

 コネクテッド・ビークルのデータからは、消費者の運転行動を幅広く読み取ることができます。自動車メーカーはそこから価値あるインサイトを引き出し、製品開発プロセスや、さまざまなマーケティング・プログラムに活用することが可能です。特にマーケティング分野では、これらのインサイトは市場調査の代わりとして用いることも、調査の補完的情報として活かすこともできるでしょう。さらに集計データは、消費者のモビリティや運転行動をマーケティング戦略に積極的に利用しているビジネス・パートナーに提供することも可能です。たとえば、小売店は交通の流れに関するインサイトをもとに、新たな店舗を出店する際の最適な立地を決定することができます。

■クロスセル

 コネクテッド・ビークルのデータを活用して、ドライバーにアフターサービスをはじめとする関連サービスを提供する戦略は、すでにコンセプトとしては自動車メーカーに浸透し始めているようです。実際、多くの最新モデルのコネクテッド・ビークルでは、メンテナンスのニーズを予測して、その情報をドライバーの行きつけのショップに送信して予約を取ることによって、アフターサービスの収益を大きく高めている例もあります。しかし、このようなケースでは事前にデータ利用をドライバーに許可してもらうことが不可欠です。いまのところ自動車メーカーは、そのための適切なインセンティブを消費者に提供できていません。

■自動車のアップセル

 革新的なコンセプトの例として、コネクティビティを活用してスタンドアローンで機能するオプションを販売するアップセル戦略があります。その一例が、高度なオートパイロット・システムです。このようなシステムは、ヘッドユニットに搭載される「無料の」機能だと勘違いされないよう、各種コネクティビティ機能のバンドルとは切り離さなければなりません。独立したシステム/機能として位置付け、価格を別途設定し、その価値を訴求することが大切です。

■OTAアップグレード

 現在のところ自動車メーカーは、販売後の自動車に対するコネクティビティを最大限活用したアップデート、またはアップグレード・サービスの提供に消極的です。アクセンチュアでは、将来的にはそうした消極姿勢はなくなっていくものと予測しています。この種のサービスには多くのビジネス・チャンスが潜在しており、業界内で広く許容されることが期待されます。そうなれば無料のアップデートだけではなく、有償のアップグレードで自動車に新機能を付加することも可能でしょう。

 以上のような価値創出源は相互に依存しているため、自動車メーカーはすべての創出源を個別に最大化するような戦略は避けるべきでしょう。メーカーはあくまで自動車のすべてを制御し、顧客データへの直接的なアクセスはメーカーだけが行えるようにすることで、データドリブンなビジネスモデルを確立しなければなりません。そうすることにより、大手テクノロジー企業が携帯デバイスや無料のサービス/アプリを「トロイの木馬」のように利用し、顧客のモビリティ・データにアクセスするのを抑止する必要があります。