自分のなかで成長思考を強化するためのエクササイズを、以下にいくつか紹介しよう。これらは、筆者がリーダーシップ開発の研修で用いているものだ。

●過去を振り返り、最初は非常に難しかった何かを努力によってマスターした経験を、1つでも思い出してみよう。そして、その際の学習に最も効果的だった手段は何だったか考えてみよう(これは自分の成長可能性を自覚するうえで役立つ)。

●他の誰かが、無理だろうというあなたの考えに反して何かを修得した時のことを思い出してみよう。可能であれば、その人が学んだプロセスを分析してみる。または、当人に直接説明してもらう(これは他者の成長可能性を認識するうえで役立つ)。

●何かを学ぶ必要に迫られた時、自分を伸ばすためにできる方策をさまざまに考え出してみる。それらを実際に試し、最も有効なものを記録しておく(これは学びのプロセスを意識し、学習法を柔軟に考えるうえで役立つ)。

 成長思考をチームに醸成するために、こうした振り返りのエクササイズと実験をメンバーにもやってもらうとよい。また、リーダーが自身の学習課題と学習法を定期的にチーム内で共有すれば、範を示すことができる。

 そして計画策定と振り返りの会議では、チームの学習法と改善の余地を毎回話し合おう。これは重要な慣行である。なぜなら、学習の結果ではなくプロセスに焦点を当てることは、成長思考の核を成すからだ。自分と他者がいつどのように課題を克服したのかを把握し、能力開発の目標を設定し、学習法を共有する――これらの行為によって、自分とチームの学びをいっそう促進できるのだ。

 最後に、自分の思考のあり方を普段から意識しておく必要がある。今後、「この世には2種類の人間がいる」と口走る自分に気づいたら、それこそが固定思考の典型であることを思い起こそう。そして、成長思考へと頭を切り換えるために、続けてこう締めくくるとよい。2種類の人間とは、「誰もが学び修得できると考える人と、そのことをまだ理解していない人である」


HBR.ORG原文:People Won’t Grow If You Think They Can’t Change April 21, 2016

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モニク・バルコア(Monique Valcour)
エグゼクティブ・コーチおよびマネジメント研究者。リーダーシップとパフォーマンスの向上から働き方の健全化まで、多岐にわたる分野で企業と個人を支援している。