1.静かな人

●無意識のバイアス:「賢い人は話しながら考える」という思い込み

●事例

 あるプログラムマネジャーが、人材不足の問題を検討するために会議を招集した。彼女はその場で現状を概説し、配属状況の分析結果を伝えた後、議論を促した。

 このやり方は、外向的思考の人(話しながら考えるタイプ)にとっては有効である。しかし内向的思考の人(話す前に考えるタイプ)にとっては、最初から不利なのだ。

 外向型の人は、会議の最中に新しい情報を与えられることに何の抵抗もない。そして情報を解釈する過程で、声に出して考えたがる。一方、内向型の人が最も貢献できるのは、関連情報を咀嚼する時間が与えられている時、そして言葉を慎重に選び、熟慮を経て結論を述べる余地がある時だ。

 したがって、外向型があれこれつぶやいている間、内向型はまだ静かに情報を咀嚼している。外向型はしばしばこの沈黙を誤解し、不賛成、意欲の欠如、関連知識の不足などと捉える。そして、内向型を会話に引き込む努力をしないことが多い。

 そうして会議は終わり、人々は次の会議へと散っていき、問題を一緒に考え抜く機会は失われる。内向型の人は貢献できないでいるうちに意欲が低下し、やがて関与する気を完全に失うかもしれない。

●このバイアスを克服するには……

・会議前:主催者は事前に、会議の目的を周知して関連情報を与え、具体的な論点を列挙しておく。

・会議中:内向型の人に、積極的に問いかけて発言を促す。「ジャネット、ここまでの議論で何か気になったことはある?」「アクシャイ、この他にも検討しておくべきことはあると思いますか?」

・会議後:会議のまとめを回覧し、後から浮かんだアイデアを積極的に募る。メールの末尾は、「その後、新たに気づいたことがあればぜひ教えてください」などで締めるのもよいだろう。