原因3:完璧主義

 完璧主義者は、プロジェクトに必要以上の時間をかけてしまい、なかなか見切りをつけられない。仕事の評価軸は「素晴らしい」か「ひどい」かのみ。取締役会の食事の献立から、誰かを解雇する決定まで、どの判断事項も等しく重要視してしまう。

 完璧主義の罠から脱するには……

●定期的に行う意思決定作業について、シンプルな方針を設ける
 意思決定は認知力に負担をかける行為だ。脳の処理能力を、重要な決定事項のために取っておこう。その他の意思決定作業については、処理するための方針をつくるとよい。たとえば、社内文書のチェックと修正は2回までにする、見込み客情報を素早く選別するための客観的な基準を設ける、などである。

●その仕事に注ぐべき労力は「最大/最少/中程度」かを見極める
 より大きな仕事については、まずパフォーマンスのレベルを明確にしよう。すなわち、その仕事に注ぐべき労力の程度は最大か、最少か、中程度かを決め、具体的なステップと時間の見積もりも明確にする。その仕事から得られるものの大小、そして抱えている他の仕事を踏まえれば、適切な関与の程度がわかるはずだ。

●仕上げる時に誰かとパートナーを組む
 補完的なスキルを持つ同僚と、ペアになろう。文書を書いているのであれば、優れた編集者を見つけるとよい。私のクライアントの数人は、雑務事項の判断をする時にアシスタントを相談相手にしていた。

原因4:仕事を直感に任せており、うまく移譲できない

 直感的な人は、自分の感覚に従って仕事をする。本人にとって良し悪しの基準は「見ればわかる」が、他者に仕事を移譲する段階になると、その基準をうまく言葉で説明できない。直感的で有能な人が管理職に登用されると、職務の規模拡大に対処できずに苦労する。

 直感から脱しうまく移譲するには……

●作業プロセスの構成要素を特定する
 他者に仕事を移譲するには、まず何を任せられるかを正確に見極める必要がある。仕事の工程を明確に分け、重荷となっているものを他者に任せよう。自分ならではの貢献を最大限に果たせる部分に専念するのだ。

●移譲時に指針を提供する
 移譲する前に、自分が感覚的に判断している事項を明らかにしよう。「これが成果物として戻ってきたら、自分はどこに注意して見るだろうか?」と自問するのだ。その要件をチームに伝えればよい。

●他者の仕事をしない
 移譲した仕事では、進捗状況を評価するためにチェックポイントを設ける。そして順調かどうかを確認し、必要であれば軌道修正をする。ただし、仕事そのものは本人に任せ切ろう。

*  *  *

 任務を完遂して目標を達成すれば、チームの誰もが活気づく。上記の原則を迅速かつ徹底的に検証し実践することは、問題を解決する最も効果的で決定的な方法だ。私は生産性向上のコーチングに長年従事するなか、それを目の当たりにしてきた。

 いますぐ行動を起こそう。仕事に驚くほど勢いがつくはずだ。


HBR.ORG原文:What to Do When Your To-Do List Is Holding Up Your Team March 23, 2016

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ジュリー・モーゲンスターン(Julie Morgenstern)
仕事の整理術と時間管理術のエキスパート、コンサルタント、講演家として国際的に知られる。主な著書にNever Check E-Mail In the Morning(邦訳『上位10%の人は知っている、仕事がうまくいく方法』PHP研究所、2007年)、Time Management from the Inside Out(邦訳『超時間活用ノート』PHP研究所、2003年)がある。