多くの経営者にお会いして気づくのは、「見た目もかっこいい人が多い」ということです。この場合の見た目は、言葉遣いや表情、所作、姿勢などすべてを含んだものです。大企業の経営者は年齢を重ねた方が多いですが、年齢以上に若々しく、初対面から「この人は違う」と思わせるものがあります。中には身長が高く、がっしりとした体格でいかにも普段から体を鍛えている人がいます。よい仕立てのスーツが見事に似合っている方もいます。しかし身体的な特徴や身にまとう服装以外だけでは説明できない、カッコよさがあります。

 それは「見られている意識」が高いからではないかと考えています。経営者はマスコミの取材を受ける経験が圧倒的に多い。社長と副社長とでは取材の依頼に相当の差があるでしょう。そして、経営者は社員や取引先から一挙手一投足を見られています。「自分をよく見せる」という意識以上に、リーダーとして、あるいは組織の代表としての自覚が、その意識を高めるのでしょう。

 人の目を気にすることは好きではありませんが、スポーツ選手や経営者に身についている「見られている意識」は、プロフェッショナルとしての成長に有効だと感じます。そもそも仕事とは他者への貢献であり、仕事の価値は他者の評価で決まります。その実行者である、ビジネスパーソンが「見られている意識」を持つのは当然のこと。結果がすべての世界であろうと、見られていることが、プロセスの効率化、細部を疎かにしない意識、誠実なコミュニケーション、そして仕事の集中力など、得られるメリットは大きいものです。

 置かれた状況や仕事の内容にもよりますが、自分が経営者のように見られている立場だったら、その言動をするか?その食べ方をするか?その服装をするか?こうした自分でできるトレーニングが、リーダーとしての素養を高めます。(編集長・岩佐文夫)