今回の研究から得られた、マネジャーと企業に役立つ3つの重要な示唆を以下にまとめよう。

 ●リーダーシップによって人材の定着率が高まるわけではない

 優れたリーダーシップには多くの利点があるが、離職率の抑制にはあまり貢献しないかもしれない。優れた上司の下で働くメリットの1つは、外でのキャリア選択肢が広がることにあるからだ。したがって企業は、他の離職防止メカニズムを熟慮・構築し、優れたリーダーが育てた有能な社員を留めるよう努めるべきである。

 ●優れたリーダーは元社員と強固な関係を築く

 転職を重ね何社も渡り歩くのが当たり前となったこの時代、多くの企業にはすでに相当数の元社員がいるはずだ。それらOB・OGを戦略的な味方とすべく、積極的に関係を築き活用すべきである。優れたリーダーは、会社がそれを実現できるよう後押しする。

 ●退職管理のプロセスは非常に大事である

 企業が元社員からのメリットを十分に活かすには、退職管理のプロセスを慎重に策定すべきである。退職後の関係構築を踏まえること、在職時のポジティブな経験を基にすることが重要だ。人事部による通り一遍の退職面接で済ませるのではなく、マネジャーがみずから慰留と退職手続きを主導する。その人材が会社にとってどう価値があるかを伝えよう。そして退職の決断へと至った場合でも、OB・OGとして関係を保つよう努めるのだ。

 また、このアプローチでは、マネジャーが考え方を変える必要もある。優れたリーダーであっても、有能な部下に他社でキャリアを築くための辞意を告げられると、ネガティブな反応を示す場合があるからだ。


HBR.ORG原文:Employees Leave Good Bosses Nearly as Often as Bad Ones, March 08, 2016.