安全確保とルール整備で幅広いサービスが生まれる

――ドローン関連の新産業、新市場創出に向けた課題は何ですか。

 安全性の確保が最も重要です。安倍首相は昨年、3年以内にドローンを活用した物流の実現を目指すと発言されています。それを受け、国は「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」を立ち上げました。いま協議しているのは、操縦免許や機体の安全審査をどうするか。現状は、申請すれば、飛行可能な空域であればだれでも飛ばせることができますが、操縦技術や機体の安全性を効率よく保証する仕組みはまだ整備されていません。法改正の第二弾として、これを検討していきます。

 もう一つは、将来、ドローンで何ができるようになるのか、ロードマップを作成し、たとえば、2020年のオリンピック開催までに到達すべき目標の設定と、それに合わせたルールづくり、インフラ整備、技術開発について議論しています。

――理事長を務める一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)としての活動はいかがですか。

 現在、準備を進めているのは、ドローンの操縦者を養成するスクールの整備です。ドローンの操縦に必要な法律や気象、電波などの知識を体系的に教えるような教科書をつくって、会員に使ってもらい、修了者には共通のライセンスを付与することを開始しました。

 2016年3月には、国際展示会「Japan Drone 2016」を幕張メッセで開催しました。アメリカ、ユーロッパ、韓国、中国などから100以上の出展社があり、本格的なドローン単独の展示会としては日本初の試みであり、規模としてはアジアでも最大級となるイベントとなりました。日本の技術を世界に発信する場、ビネスマッチングの場、規則や利用法を国際的に議論する場として、来年以降も継続していく予定です。

――飛躍的な発展とともに急速に普及するドローンは、「空の産業革命」を起こしますか。

 安全確保とルールづくりが進めば、いろいろなサービスが提供できるようになるという点で、経済波及効果は大きいでしょう。機体自身の価格は安いので、その市場はあまり大きくありませんが、ドローンによって展開されるサービスは物流に留まらず、幅広い裾野が期待されます。

 個人的には、公共的な目的で地方自治体や消防署などが積極的に使うようになってほしい。水害が起きたときに、おぼれている人に浮き輪を運んだり、被災状況を最初に把握するのに無人のドローンを活用したりするのです。有人のヘリと連携することで、より効率的な救助活動ができるようになるでしょう。

(構成/堀田栄治 撮影/宇佐見利明)