文化にはどんな価値があるのか

 企業文化がビジネスに有益である根拠を示すことは、不可能ではない。従業員の創造性や積極性、逆境から立ち直る力などは測定しにくいものだが、トータルモチベーションを算出することは実際には難しくない。各動機に関する合計6つの質問への答えを、簡単な計算式に当てはめれば、組織のToMoを測定でき、それがパフォーマンスに与える影響を確認できる。

■トータルモチベーションの測定法
 現在の職に就いている理由として、6つの動機を1(まったく当てはまらない)~7(とても当てはまる)のスコアで評価し、以下の公式に当てはめる。
(10×楽しみのスコア)+(5×意義)+(1と2/3×可能性)-(1と2/3×感情的圧力)-(5×経済的圧力)-(10×惰性)
 上記は、業界横断的な実績を回帰分析して各動機を重み付けし、-100から+100の範囲で指数が示されるよう単純化したものだ。各動機の重みは、仕事に密接な関わりがあるほどパフォーマンスが高まることを示している。
 自分やチームのToMoを測定したい方は、我々のウェブサイトの無料診断ツールを活用してほしい。


 航空業界の例を見てみよう。航空会社は同じターミナル、同種の旅客機を使っていても、顧客満足度は会社によって大きく異なる。我々は、大手航空4社の従業員のトータルモチベーションを測定し、結果を各社の企業文化の基準とした。そして顧客満足度(ミシガン大学が開発した米顧客満足度指数〈ACSI〉に基づく)と文化を比較検証したところ、両者には密接な関わりがあることがわかった。

 楽しみ、意義、可能性を促進しながら、感情的・経済的圧力と惰性を抑制する企業文化は、顧客満足度を高めるのだ。この現象は、小売、銀行、通信、ファストフードの業界でも見られた。

 その影響が及ぶのは顧客満足度に留まらない。あるヘッジファンド会社では、最も成績優秀なファンドマネジャーたちはトータルモチベーションが高かった。また、我々が協力した某小売企業では、ToMoの高い店員と低い定員とでは売上げに30%もの差が見られた。

※後編に続く(2016年3月17日掲載予定)


HBR.ORG原文:How Company Culture Shapes Employee Motivation November 25, 2015

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リンジー・マクレガー(Lindsay McGregor)
企業の文化変革を支援するベガファクターのCEO兼共同創業者。共著にPrimed to Perform: How to Build the Highest Performing Cultures Through the Science of Total Motivation(HarperBusiness, 2015)がある。前職はマッキンゼー・アンド・カンパニーのプロジェクトリーダー。

ニール・ドシ(Neel Doshi)
企業の文化変革を支援するベガファクターの共同創業者。共著にPrimed to Perform: How to Build the Highest Performing Cultures Through the Science of Total Motivation(HarperBusiness, 2015)がある。前職はマッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナー。