アクションラーニングンで用いられる4つのテーマ

 第一会合の後半からM社のGBL育成プログラムのメインである⑤アクションラーニングが始まる。アクションラーニングとは自社の戦略的あるいは組織的で実際に発生している課題を研修参加者に与え、一定の期間内に彼らから解決策を提案させる手法のことだ。アクションラーニングを有名にしたのは米国企業のGEである。GE元会長のジャックウェルチが後継者育成において、研修参加者が苦心して出してきた戦略提案を真剣に受けて止めていたことは有名な話である。


 筆者の経験では、GBL育成プログラムにおいてアクションラーニングを取り入れることが主流になってきている。アクションラーニングで参加者に与えられるテーマには(1)実際に自社が抱えている戦略テーマ、(2)新規事業提案、(3)一般的な組織改善テーマ、(4)事前に準備された自社ケースの4種類がある。

 (1)の戦略テーマを設定する場合は、参加者が提案を練るために必要とする十分な情報を与えなければならない。文書の形で与える情報に加え、社内専門家のインタビューや顧客やサプライヤーに対するヒアリングなどの機会を与えることも必要となる。本格的に実施するとなると数日程度の研修期間では足らず、複数回に渡って集合研修を行う形式を取らなければならない。その分コストもかかるが、十分な時間をかけて行うアクションラーニングには、それなりの成果も期待でき、場合によっては外部のコンサルタントを雇った場合と同じくらい質の高い提案がでてくるケースもある。

 (2)の新規事業提案もアクションラーニングでよく選ばれるテーマである。進め方は(1)のテーマの場合とほぼ同様であるが、異なるのは提案の主体が外部マーケット分析となる点である。筆者の経験では、現実的に投資価値のある新規ビジネスが提案されることは極めて少ないのだが、素晴らしい提案が出てきた場合、その提案をその場限りにせず、実現に向けて会社としてアクションを取り始めることが重要だと考える。会社がそのようなスタンスをとらないと、回数を重ねるにつれ徐々にうわべだけで現実味のない事業提案しか上がってこなくなる。M社では良い戦略提言、特に新規事業提案に対しては会社として正式に予算を設け、実行に向けての組織づくりをするという対応の仕方をしている。そうすることで、当然参加者の真剣味が違ってくるというわけだ。