どちらが本物のあなたなのか

 それと似た話で、あなたも本件についてアンビバレントな気持ちを持っているのではないでしょうか。相談の前半部を読むと、仕事が充実していて周りがぐだらぐだら言っても気にならなそうに見える。それなのに、後半部を見ると、「見下されている」とか、余計なことを考えてしまっている。

 もし前半の自分が本物であって、仕事ができる自分に誇りを持っているのであれば、外野の声は単純にスルーすればいい。しかし、一方で「女として負けている」「攻撃をかわしたくなる」と思う弱い自分もいるのであれば、どちらが本物の自分なのか、一度自問自答してみるといいと思います。ま、どちらも本当の自分ということなのかもしれませんが。

 もしあなたが、いまのシニアマネージャーの仕事に邁進する生活に若干の疑問を持っていて、子どもや家庭のことを心の奥底で考えているのだとしたら、外野からの「攻撃」をかわす方法はありません。「攻撃」をかわそうとすると、かえって自分の本心に自分で蓋をすることになってしまいます。

 もしかしたら、あなたは自分のごく個人的な気分なり感情の問題を、無意識のうちに男女の問題にすり替えているのかもしれません。男女というのは、世の中にある普遍にして最強の二分法なので、すぐ持ち出したくなります。

 しかし、本当に男女の違いに起因する問題なのか、ここは一つ冷静に考えてみるべきだと思います。たとえば、「男は仕事で成功すると独身でもうらやましがられるのに、女はうらやましがられない」と言いますが、本当にそうでしょうか。独身だろうと既婚だろうと、男だろうと女だろうと、成功して羨望される人とそうでもない人がいるだけだというのが本当のところのように思います。その人の人となりや「成功」の中身によるところがずっと大きいはず。