自動運転技術のように、
経営の意思決定も「デジタル化」で加速する

――先ほど、複雑性をマネジメントするために「デジタル化による経営自動化」が必要とおっしゃいましたが、これはどういったものですか。

 これは自動車業界のコンサルティングを通じて思い当たったことですが、経営制御システムとして「センサ(企業経営に必要な情報)」と「コントローラ(情報処理)」「アクチュエータ(動作制御)」を経営の意思決定に組み込むと、企業経営の質的向上を図ることが可能になる、ということです。

 というのも、集めるべき情報はどんどん増えていて、それをいちいち人が分析・判断しているようでは対応が遅れてしまうからです。自動運転技術のように、基本的に経営に起きるさまざまな問題を自動的に検知・分析し、対応する手順を自動化する必要性が高まっています。

 経営は、その基準を作る作業と高度な意思決定、長期的なプランニングに特化していくことが重要。そうすることで、人による意思決定が高度化され、人的リソースの有効活用・最適化も図ることができるのです。

 さらに、ルーチンワークが自動化されれば、イノベーションの創出に、より力を注ぐことができるようになります。イノベーションは「ダイバーシティ×コミュニケーション」から生まれると言われていますが、ここにこそ人間の力が必要です。

 企業経営のデジタル化は、自動車業界に限らず、グローバル展開するあらゆる業種の企業において生き残るために不可欠な手段となっていくでしょう。

(構成/河合起季 撮影/宇佐見利明)