破壊的ブランドの脅威

 こうしたトップブランドの地位は、一見すると安泰のように思われる。しかし今回の調査から、我々が「破壊的ブランド」と呼ぶ者たちの存在が見えてくる。やはりシンプルさを志向し、各業界で既存ブランドに取って代わろう、あるいはまったく新しい業界を生み出そうと狙う新興勢力だ。

 米国における破壊的ブランドのシンプル度トップ10は、次の通りである。

1.ダラー・シェーブ・クラブ(Dollar Shave Club:カミソリの定期配達)
2.ワービーパーカー(Warby Parker:メガネ通販)
3.シームレス(Seamless:レストラン出前)
4.ゴープロ(GoPro:撮影機器)
5.ザ・オネスト・カンパニー(The Honest Company:オーガニック製品)
6.スポティファイ(Spotify:音楽配信)
7.グラブハブ(GrubHub:レストラン出前)
8.パンドラ(Pandora:音楽配信)
9.ウーバー(Uber:配車)
10.ブルー・エプロン(Blue Apron:食材宅配)

 1位のダラー・シェーブ・クラブは、数多くの点でシンプル性の模範を示している。わかりやすいブランディングと製品、信頼できるサービスによって、ジレットなどの既存ブランドに挑んでいる。

 ここで、破壊的ブランドのシンプル度スコアを、先ほどの米国総合ランキングに含めてみよう。すると、トップ10は大きく様変わりする。既存ブランドのうち、トップ10圏内に残るものは4つしかないのだ。

 1.ダラー・シェーブ・クラブ
 2.ワービーパーカー
 3.シームレス
 4.グーグル
 5.ゴープロ
 6.ネットフリックス
 7.パブリックス
 8.ザ・オネスト・カンパニー
 9.スポティファイ
 10.アマゾン

 破壊的ブランドの存在は、最もシンプル度スコアが高いブランドでさえイノベーションを止めるわけにいかない、ということを思い知らせてくれる。業界をリードする企業も、シンプル性の追求を続けなければならない。どの業界でも破壊者たちが、隙あらば既存ブランドに取って代わろうとしているからだ。