創造プロセスの4段階

 創造のプロセスは、一般的に、4つの段階からなるとされる。(1)準備:preparation、(2)あたため孵化させる: incubation、(3) ひらめき: illumination、(4)検証: verification、である。

 準備で、十分すぎるほどの情報・経験が蓄積され、異質なものの様々な組み合わせを“楽しみ”ながら、意図的に何かを発見しようとする。この条件が整えば、第2段階の“孵化”を経て、第3段階の“ひらめき”の瞬間へとつながる可能性が開けてくる。孵化の時期では、潜在意識の中で、時には寝ている間にも、蓄積された情報が整理され、静かに統合されていく。この時期は、「なんだかうまく纏らないなー。いいアイデアが出ないなー。」とスランプのように感じる期間である。

 しかし、ひらめき、つまり“Eureka!”の瞬間は、スランプの後にやってくる。現在チャレンジしている課題とは無関係な仕事に、ゆったり取り組んでいる時、散歩などをして息抜きをしている時などに、その瞬間、断片的な情報や思考が一つに繋げ纏められ、これだっ、と思える瞬間が訪れる可能性が高い。いつでも忙しく動き回っているだけの行動パターンでは、クリエイティブにはなれないことを再認識する必要がある。そして、第4段階として、多数のひらめきは、目的に照らし合わせて、だめなものを切り捨てられ、残ったものは検証され磨かれていく。

「準備段階」の質は高められる

 4つの段階の中でも、もっとも重要かつ我々が意識的に努力を積み重ねることができるのが初めの準備段階だ。ここでは、大きく二つの作業を行っていく必要がある。第1に、直面している問題を多面的に捉え直しながら、本質を理解しようとする作業である。柔軟で創造的な人は、何らかの解決すべき課題に直面すると、「自分の経験の中で、何か関連がありそうな出来事がないか?」、「別の領域で、何か現在の問題と似たものがないだろうか?」、「似たような問題は、過去に何らかの形で解決されていないだろうか?」、「現在直面している問題と、真逆の状況とはどういうものだろうか?」など、視点を変えながら問題を捉えようとする。これらの、異なった状況ではあるが何か共通点がありそうなもの、を比較検討することによって、初見では発見できなかった隠れた本質的な“問い立て”をできるようになる。