点と点を結ぶコラボレーションやパートナーシップ

 IIoT分野でのイノベーションを加速させるうえで、政府はその強力なステークホルダーのネットワーク(産学、NGOなど)を利用し、アイデアやベストプラクティスを共有することによって、相互に関心の高い領域を見極め、その領域でさらなるリサーチを実施することが可能です。また政府は、グローバル企業や国内の大企業、中小企業、スタートアップによるコラボレーションやパートナーシップを積極的に促すこともできます。

たとえば韓国政府は「クリエイティブ・エコノミー」を掲げ、大企業と地方自治体の連携を後押しし、IIoT能力を備えたイノベーションセンターを複数設立しました。同国政府はまた中小企業や地方企業を対象に、IIoTテクノロジーを活用した経営の近代化をサポートしています13。このようなコラボレーションを促進し、さらにその一員となることで、政策立案者はイノベーションの障害とならない、適切な規制を策定することも可能になるのです。

投資の遅れを取り戻す

 アクセンチュアの調査に参加したビジネスリーダーの79%がIIoT戦略を策定していると回答する一方で、戦略への投資を行っているとの回答は約3分の1に留まっています。企業と政策立案者は、IIoT導入の実験/パイロット/デモンストレーションを実施することによって、単なる戦略を実践へと移すことができます。たとえばシンガポールは数年前から自動運転車の実験を進めており、現在は市民参加による産学協働のパイロットテストを実施中です14。このようなプログラムにより、従来のサービス産業においても、また新たなサービス産業においても、IIoTがもたらしうるメリットや相互成長の可能性を企業にいっそう認識させることができるでしょう。さらにステークホルダーらがビジネスコミュニティ内で成功体験を早い段階から共有することにより、新たな企業や起業家の参加を促すことも大切です。

 デジタル化時代において飛躍的な成長を目指す国にとって、IIoTの誕生はまさに大変革をもたらしうる現象です。しかし必要条件を満たすことができなければ、せっかくの機会も活かせないかもしれません。機会を活かすため、各国はまず、IIoTテクノロジーの吸収能力を支える4本の柱を理解し、さらにIIoTベースの経済成長を後押しする方法を学ぶことからスタートしなければなりません。そうした知識を基盤とすることによって、経済発展と繁栄に向けたよりよい進路へと、自国経済を導くことができるはずです。

出典

11. Indian Department of Electronics & Information Technology, IoT Policy Document, October 17, 2014.

12. Internet of Things News, The first IoT talent training and promotion center was settled in Wuxi, August 16, 2011.

13. Chaebols to Support Assigned Regions to Promote Creative Economy, Business Korea, September 3, 2014 Big day for creative economy push, Korea JoongAng Daily, December 18, 2014.

14. Singapore Wants a Driverless Version of Uber, MIT Technology Review, December 23, 2014.