「つながる工場」で強化する「ものづくり」の価値

――日本は「ものづくり」に強みを発揮してきました。しかし、このままでは、日本の製造業は、消費者に直接サービスを提供する会社の下請けとして衰退してしまうということでしょうか。

 提供する部品がコモディティ化してしまえば、高い収益は上げられなくなります。しかし、このことは、必ずしも「部品」をつくっていてはダメだと言っているわけではありません。部品をブラックボックス化することによってその価値を維持することが大事なのです。

 そのためにも、ものづくりの底力を上げる必要があります。そのキーワードとなるのがドイツの「インダストリー4.0」の中でも提唱されている「つながる工場」です。

  「つながる工場」では、異なる工場同士の生産プロセスが相互に連携します。競合同士の工場が直接つながることはありませんが、サプライチェーンやエンジニアリングチェーンを通じて「つながる」ことができるということです。

 さらには、生産現場と消費者が「つながる」ことも「つながる工場」のコンセプトに含まれています。多様な消費者のニーズに生産ラインが直接対応する「マスカスタマイゼーション」を実現するといったことです。

 「つながる工場」ではIoT が活躍します。具体的にはセンサーとネットワーク技術の発展により、生産プロセスにおけるモノの位置や状態をデータ化にIoTを活用するということです。たとえば、部品や運ぶラックにICチップをつけて管理することで、ある生産ポイントをいつ何が通過したかといった現場の状態をデータとして把握できます。つまり、IoTは、工場にある「モノ」や「コト」の状態をデータ化して、外部と「つなげる」ことを容易にするのです。

 ただし、「つながる工場」でIoTを活用することも大事ですが、「つながる」前提として、企業間のオープン化や標準化されたルールが必要です。そうした背景から、今年6月に、産学連携でIoT時代に日本企業が「つながる」ための標準化などを議論するIVIが発足しました。