条件1:選択を定義する(争点の設定)

 「良い選挙メッセージ」の条件の1つ目は、有権者の選択を定義する(フレーミングする)メッセージであることだ。日本では一般に「争点の設定」と言われる。

 当たり前であるが、選挙とはつまるところ有権者にとっての選択である。何を選択しているのかがわからなければ、選ぶことができない。

 だが、それが国政選挙にせよ、市長選挙にせよ、市議会選挙にせよ、通常は選択基準が多すぎて、有権者は何を基準に据えるべきかに悩む。過去の実績もあるし、今後の政策もある。経済もあるし、交通もあるし、環境もある。政策だけではなく、候補者の人間性も重要だ。人間性と一口に言っても、カリスマ性もあれば誠実さもある。候補者が所属している政党も重要だ。

 このように、「誰を選んでよいかわからない」という以前に、「何を基準に選ぶべきなのか」を定めることが難しいのである。

 立候補者は、選択基準を定義して、その選択基準に基づき自分が何を代表する人間であるかを定義して、そして、それと一貫した信念と政策を提示する。さらに、その選択基準において、対立候補を定義する。もちろん、客観的な事実による裏付けが必要だ。

 そこまでして初めて、自分に投票してもらうという行為が何を意味するのか、自分が何を代表する候補者であるのか、というメッセージとなる。これが「良いメッセージ」の1つ目の条件である。