チームにはコーチングの一般的なガイドラインを示そう。ピア・コーチングから最大の成果を引き出すために、以下を順守してもらう。

1.クライアントの目標達成を助けたいという思いを示す。

2.コーチ自身の経験を話す時は、クライアントに「自分は受け入れられている」と感じてもらうことのみを目的とする。コーチ自身に注意を向けさせるためであってはならない。

3.コーチ自身が持っている偏見をできる限り自覚する。

4.クライアントが直面している現実から離れない。つまり、しっかり耳を傾ける。

5.自分の無知を隠さない。ばかげた質問のように思えても、率直に尋ねる。

6.クライアントに対し、必要な時はあらゆる方面に助けを求めるよう促す。

7.クライアントの考えを批判しないよう努める。相手の言葉に耳を傾け、代案を提示するのが最もよい。

8.自分が果たせる以上のことを約束しない。それは自分の信用を損ねてしまう。

 非指示的、つまり成長を促すことを目的とするピア・コーチングの核心は、有益な問いかけである。多くの人は変化を恐れる。先の予測ができず馴染みのない未知の領域に足を踏み入れることになるからだ。しかし、意識的に自分を変えようとする時に踏むべき特定の段階というものもいくつかある。コーチの役目は、有意義で持続的な変化の必要性を認識させることだ。以下に、変革に向けて踏むべき段階を示し、各段階での課題にクライアントが向き合えるよう助けるための質問をいくつか紹介しよう。

1.問題を認識する

 変えることが必要だと、気づくだけでも容易でない場合がある。私たちは、自分の今の認識に反したり現状を脅かしたりするような情報を無視しがちだからだ。コーチは、クライアントにとって自明でない事柄への内省を促すことで、盲点に気づかせることができる。そうした自覚を促すためには、次のような基本的な質問が役に立つだろう。

「人生や生活のなかで、目標の達成を阻んでいる物事は何ですか?」
「この問題は、あなた自身、そしてあなたの人生における大切な人々にどんな影響を与えていますか?」
「改善が必要な根本原因はどこにあるのでしょう――あなた自身か、それとも外部要因ですか?」

2.変えるべき理由を認識する

 人は自ずと現状を維持しようとする傾向があるため、必要に迫られない限りなかなか新しいことを始めようとしない。切迫感を高めるには、以下のように問いかけるとよい。

「もし自分が変わらなければ、この先何が起きると思いますか?」
「もし自分が変われば、何が起きるでしょうか?」