2. 大きな課題に取り組むことを奨励する:グーグルのイノベーションの根幹には「10%の改善ではなく、10x (テンエックス=10倍) を目指す」という考え方がある。創業者の一人のラリー・ペイジは、

「10%の改善を目指したら、おそらく大きな失敗はしないだろうが、大きな成功もない。10xのインパクトを実現させるためには、課題の設定、既成概念、常識、あらゆることを見直し、疑い、アイデアを捻出する。結果的に、そのほうがイノベーションへの近道になることが多い。」

 と述べている。必ずしもすべてのプロジェクトが10xを志向するわけではないが、大きな課題を設定することが発想の転換を促すという認識のもと、グーグルでは日々の業務で「大きな課題に取り組んでいるか、本当にこれが 10x をもたらすアイデアか」という質問が繰り返し強調される。

3. 失敗を是とする:新しいことに積極的に取り組んでもらうためには、失敗を是とすることも必要だ。誰しも、喜んで失敗する人はいない。だが、失敗しても、難しい課題に新しいアプローチで取り組み、そこから学びを得ることが、イノベーションを生むカルチャーにとっては必須である。また、大きな課題であっても小さく始める(Think Big, Start Small) ことを奨励することで、新しいアイデアに取り組むバリアを下げるだけでなく、失敗するとしても ”早く失敗し”、そこからの学びにつなげることができる。失敗を恐れず、常に新しいことにチャレンジしていく組織と、失敗を恐れて完璧な計画が見えた時のみ実行する組織では、たとえ短期間であっても、大きな差がつく。

4. プライドをもって盗む:アイデアは一人で完結するものではない。イノベーションというとオリジナリティが重要と考えがちだが、それでは組織としてのパワーを生かし切れない。むしろ既にあるアイデアや製品、プログラムを新しい発想で次の段階にもっていくことが大きなイノベーションにつながることも多い。グーグルでは、積極的に今あるアイデアやプログラムを”盗み”、さらに良くすることも奨励している。そのために全社員がどのようなプロジェクトに携わっているか公開し情報共有を促進している。

「イノベーション」と聞くと難しく考えがちだが、発想を柔軟に持ち、変化を前向きに捉え、チャレンジすることを、組織レベルでも個人レベルでも徹底すると同時に、社員が新しいものをどんどん生み出せるようエンパワーすることで、結果的に「イノベーティブ」なカルチャーを醸成できるのではないだろうか。