正しいラーニングとアクションのために、まずは正しい計測を

 これで広告効果測定に関するすべての問題が解決したわけではない。クロスメディア環境下におい、オフラインとオンラインの役割をどのように評価するのか。オンラインの中でもモバイルとパソコンなど複数デバイスをまたぐ広告効果測定は、まだ開発の途上である。さらに、ソーシャルなどデジタルのフロンティアは次々に広がっている。

 ただし、「未来の活動へ向けてのラーニング」で最も重要なことは、「正確」にその価値を測定するという姿勢である。新規性や話題性に振り回されることなく、昔はそれで上手くいったという過去に執着することなく、根拠に基づいて意思決定を行う。そのためには、調査結果をすぐに鵜呑みにはしない批判精神、たとえ不都合な真実だったとしてもそれを発言する勇気、そして課題を解決するためのテクノロジーの理解とそれをどのように利用するかの創造力が必要であるということだ。こうした継続的な粘り強い努力の結果、「広告投資のどちらの半分が無駄だったのか」を少しずつ明らかにできるようになるはずだ。

 後編では、ブランド広告の効果測定におけるもう1つの大きな課題、複雑化するマーケティング施策の中で、いかに素早く結果をフィードバックし、タイムリーなアクションに活かしていくのか、「効果検証の俊敏性(Agility)」を紹介する。

(つづく)

*次回は7月10日(金)公開予定。

 

【連載バックナンバー】
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第2回:記録と記憶は異なる――大きく変化する生活者の日常を捉える
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第4回:生活者はどうやって検索しているのか?商品を選ぶ「兆し」をつかむ
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第6回:ターゲティングはマーケティングの活動の羅針盤――グーグルで現在進行中の実験
第7回:ブランドが発信すべきは、コンテンツ。グーグルが活用する「3Hストラテジー」とは?
第8回:マーケターにとって見逃せない瞬間「Micro-Moments」とその活かし方