●時間に関する率直な報告を、責務と心得る
 自分の時間をどう使うか決めるのは、自分自身でなければならない。仕事の完遂に向けて負荷が避けられないことも、一時的にはあるだろう。大きな仕事の締め切り前や、新製品の発売を準備している時、年次報告書を作成している時などがそうだ。しかし、過剰な負担が常態化するのはおかしい。自分でこなせる以上の仕事が山積し、そのことを誰にも伝えていないとすれば、負担は他の誰かのせいではなく自分自身のせいなのだ。

 スケジュールが厳しいことで有名な一流コンサルティング企業でさえ、時間についてオープンなコミュニケーションを取る機会を設けている。たとえばボストン・コンサルティング・グループでは、PTO(Predictability=業務の規則性、Teaming=チームワーク、Open Communication=オープンなコミュニケーション)という公式のプログラムをグローバルで実施している(英語サイト)。

 これは、プロジェクトチームの各メンバーがタスクの優先順位とオフ時間を設定できるよう支援するものだ。その一環として、チームでの協力によって各メンバーが週に1度はプロジェクトから完全に離れる時間を取れるようにしている。これを達成するために毎週の定例会議で、各人が感じていることや、クライアントにどのような価値を提供できているかを話し合う。自分がオーバーワークであることを他者が当然気づいてくれるだろうと期待するのではなく、自分のニーズをオープンかつ正直に伝える必要性を各人が認識しているのだ。

 他社もこれに倣い、たとえ正式なプログラムがなくても、時間に関する率直なコミュニケーションを各従業員の責任とすべきであろう。

●能動的な時間管理に最大の努力を注ぐ
 過去に特定の状況や人々に対してどう対応してきたにせよ、今後変えるチャンスは常にある。変化を起こす強い決意と覚悟を持とう。目の前に提示された物事をただ受け入れるだけの態度を改め、自分を取り巻く状況にどう対処するかを自分の意思で決めるのだ。

 被害者になり下がる前に、置かれた状況や自分の時間への裁量をみずから行使しよう。不当な要求をされていると感じたら、自分の考えをはっきりと伝え、過重な負担を防ぐ。抱えているプロジェクトのリストを会議に持参し、新しいタスクが提案された場合にその重要性を他のタスクと比較検討できるようにしてもよい。新しい仕事に充てる時間が十分になさそうなら、会議中に優先順位の検討を提案するか、後日関係者と話し合おう。

 さらに、多くの仕事を引き受けすぎないよう、ルールと限度を明確に決めておこう。たとえば、いつも期限ぎりぎりにミスの多い仕事を上げてくる部下がいたら、もっと早く提出するよう求める。そうすれば本人に差し戻して直してもらう余裕ができるので、締め切り間際に自分で背負い込まなくて済む。

 最後に、自分で限度を設けることが不可能(週7日24時間態勢での対応が求められる仕事など)で、しかも時間管理の問題を自力で解決できないなら、その仕事が自分に適しているか再考すべきかもしれない。いかなる方法をもってしても、自分にとって持続可能なライフスタイルを実現できない仕事もありうる。その場合は辞めるのも得策だろう。

 時間管理の責任を自分で負うことで、他人を責めるというエネルギーの無駄から解放され、周囲の人々や状況に生産的に対応できるようになる。時間管理は自己責任であるという意識を持てば、最も重要な事柄に使える時間が十分確保できるはずなのだ。


HBR.ORG原文:Stop Playing the Victim with Your Time January 21, 2015

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エリザベス・グレース・サンダーズ(Elizabeth Grace Saunders)
時間管理のコーチングとトレーニングを提供するリアルライフEの創設者。著書にThe 3 Secrets to Effective Time Investment: How to Achieve More Success With Less Stressがある。