●第一印象を気にしない
「誰もがこの点を誤解しています。まともに見えるように、ちゃんと話すようにと心がけて、結局は相手の記憶にまったく残りません。私は自然体でいることを楽しんでいます。堅苦しいスーツなども着ないし、自分の第一印象は気にしません。むしろ最初に悪い印象を与えて、相手に時間をかけて本当の私を理解してもらうほうが、いきなり好感を得ようとするより都合がいいくらいです。

 数年前に興味深い研究を読んだことがあります。自分のことを即座に気に入ってくれた相手よりも、そうではなかった相手とのほうが、長期的には強い絆を築けるというのです。ジャック・ニコルソンはあらゆる面で好印象ではないけれど、まっとうでない部分が合わさって、カッコよさを感じさせるわけです」

●公式のフォーラムはほとんどが時間の無駄
「ダボスのフォーラムで得られる情報や経験の99%は、他の場所で、自分に都合のいい時間と方法で得ることができます。以前に私が白いバッジの許可証(会場への公式パス)を持っていた時――今はもう使っていませんが――友人たちに大笑いされたものです。セッションに参加したことは1度もなかったので。最も価値がある場所はフォーラムのセッションではありません。ダボスでしか得られないのは、たくさんの人と直接顔を合わせて交流する機会であり、それが重要な関係の始まりや強化につながるのです」

●午後4時~8時の間に仮眠をとる
「ダボスでの私は、毎日午後4時から8時の間のどこかで仮眠します。睡眠不足を補うには一番いい時間で、このおかげで夜に貴重な機会が訪れた時に元気でいられます。貴重な機会が来るのは、深夜の2次会や3次会でダンスをしている最中だったり、選ばれた人だけが招待されるお城でのパーティーだったりします。そこでの会話は早朝まで延々と続くこともあります」

●人脈を築く秘訣は、人脈づくりをしないこと
「誰も、“社交のための会話”などしたくないのです。ビジネスや政治のトップレベルにいる人たちは特にそうで、実のある会話と本物の関係を渇望しています。自分らしく、正直に誠実に接することが何より重要です。私は話すべき相手を判断する時、公式パスの肩書きを確認したりしません。

 ダボスには影響力のある人たちが3000人も集まるので、話す相手をよく選ぶ必要はありますが、自分を偽ってまで会うことはしません。そして限定しながらも、さまざまな可能性にオープンでいます。会いたいと思える人たちが最も多くいそうな場所に出向き、そこでの流れに身を任せ、一緒にいて楽しい相手と時間を過ごすのです」