一流の人は相手に気持ちよく仕事してもらおうとする

 この話しを聞きながら自分の20代の頃を思い出していました。配属先の仕事は楽しく、日々夢中になって働いていました。それだけでなく、同期の仲間と遊ぶのも楽しく、毎週金曜日の夜集まっていました。バブル期ということもあり、週末はスキーにテニス。ボーナスで新しいクルマを買う、というのが当面の目標でした。

 当時私も「世界中の人々が幸せになる世界」は素晴らしいと思っていましたが、それは思うだけで、自分のことで一杯いっぱいでした。

 20代から世界中の人の幸せを考えられる人と自分のことで精一杯の人とでは、人としての優しさや世界観の違いの前に、圧倒的な実力差を感じるのです。

 もう一つ、実績を上げてきた方との仕事のしやすさは、彼らが、相手が気持ちよく働けるように、無意識のうちに働きかけてくれるからです。実績のある人ほど、いい仕事をしようとすると他者の力を借りることの重要性を理解しています。一緒に働く人の力を最大限引き出すために、こちらに働きかけてくる。褒めるのが上手な人や、こちらがさらに頑張ろうと思えるようなコミュニケーションを自然とされる人がいます。一緒に仕事をしていて、こちらは気持ちいいのは当然で、さらによい仕事をしようと自発的に動きます。実績を上げてきた人のリーダーシップは、こういうところにも発揮されるのです。

 社会的地位のある人には、相手をリスペクトできる方が多い。リスペクトされた相手は、その人のために一生懸命働こうとする。だからこの人の関わる仕事はいつも成果が上がる。そうして実績を積み上げてこられたのでしょう。優れたリーダーとは一緒に働く人の力を最大化する。そのことを身を以て学べることこそ、一緒に仕事をさせていただく最大の恩恵です。(編集長・岩佐文夫)