広告効果を測定するリサーチャー
「飲みたいときにバラエティ志向」に広告が何%リーチしたか、広告全リーチ者におけるこのグループに所属する人々の含有率が何%だったのか、このグループの広告接触者における態度変容はどうだったのかという点を評価ポイントとして調査企画を立てた。

 上記のように、1つのデータソースを基点にすれば、行動データを活用した市場・顧客分析から、ターゲットの実像を描き出し、インサイトを把握した上での商品・クリエイティブアイディアの立案、さらには、メディアプランや広告投資評価までを一貫させることが可能であることがわかった。これが、真に「顧客」の行動から発想したマーケティングであり、ターゲティングの本質である。

デジタルで培われた発想をマーケティング全体に活かす

 デジタルマーケティングにおいては、自社サイトの訪問者の登録情報やサイト内回遊履歴などのデータと広告配信手法により、顕在顧客像の明確化とそのターゲットへのコミュニケーションを展開しているが、それはデジタルの世界、広告配信に閉じたものであった。今回のプロセスでは、デジタルを超えた行動データとのリンクによるターゲティングが、商材から広告アイディア、メディア投資まで、マーケティング全体に一貫して活用ができることを示している。

 一貫性のあるターゲティングでマーケティング戦略を構築することは、将来、ブランドを価値と感じてくれるであろう人々に、適切な商材を適切な広告コミュニケーションと共に届けることにつながる。その時、ブランドは生活者にとって価値のある対象となる。

 昨今、マーケティングは ROI の最大化が求められ、マーケターはそれに答えるべく日々、努力されているだろう。しかし、今回紹介したような顧客基点の一貫したターゲティングは、マーケティングブランドの送り手にとっての投資の効率性だけではなく、受け取る側の効果の最大化にもつながるのである。

(つづく)

*次回は6月19日(金)公開予定

【注】
(1)i-SSP(インテージ シングルソースパネル) 。株式会社インテージが保有するSCI(全国個人消費者パネル調査)を基盤に、 同一対象者から新たにパソコン・モバイルからのウェブサイト閲覧や テレビ視聴情報に関するデータを収集。 パソコン・モバイル・テレビそれぞれの利用傾向や接触率はもちろん、 同一対象者から収集している購買 データとあわせて分析することで、 消費行動と情報接触の関係性や、広告の効果検証、さらには 調査対象者に別途アンケート調査を実施・分析することも可能。 ( i-SSP [アイエスエスピー] と シングルソースパネルは株式会社インテージの登録商標 )
(2)調査企画や結果の詳細に関してはこちらのURLを参照
(3)アプローチしたい生活者像の好みや関心の対象で、マーケターが独自に定義し、広告配信を行うターゲティング手法

 

【連載バックナンバー】
第1回:デジタルテクノロジーによってマーケティングはどう変わるか
第2回:記録と記憶は異なる――大きく変化する生活者の日常を捉える
第3回:これからの生活者分析――人々の行動を基点に生活者を理解する
第4回:生活者はどうやって検索しているのか?商品を選ぶ「兆し」をつかむ
第5回:コンサンプションからエンゲージメントへ――新しい情報・コンテンツ発信のカタチ