グーグルで現在進行中の実験――アルコール飲料市場を題材に

 ターゲティングを一貫させるために必要なデータとは、どのようなものだろうか。商品開発では、競合環境を含め市場全体を俯瞰できるものであり、ブランディングでは、その商品の購買者、非購買者を区分けでき、購買者の購入頻度や場所が分かるほうが良いだろう。さらに、メディア投資を考えるには生活者がどのようなメディアに、どのタイミングで接触しているかも知りたいところだ。

 また、以前も紹介したとおり、購買やメディアの接触行動はアンケートで正確なデータを得ることが難しく、行動ログデータである方が望ましい。このようなデータがあれば、商品開発から生活者とのコミュニケーションまで、一貫して同じターゲットを想定した戦略をとることができるだろう。

 そこで私たちは、調査会社が提供する生活者の購買行動、価値観やメディア接触行動がわかるシングルソースの調査パネル(注1)を活用し、アルコール市場で実験を試みた。アルコール市場を対象としたのは、日本を代表する大規模なマーケットの1つであると同時に、生活者の嗜好性が強く、購買頻度が高いため、データ量とデータのばらつきの観点から分析に適していると判断したためである。

 まず、調査パネル対象者一人一人のビールや焼酎などアルコール飲料全体の購入金額・購入本数・購入回数など実購買データのみを説明変数とし、クラスター分析をかけた。これは、「モノの買い方」から購入者像を描き出す試みであり、結果として、7つのクラスターに分かれた。

 さらに、各クラスターに購買実態に合わせた名称をつけ、生活価値観や買物価値観などのアンケートデータと重ね合わせ、より具体的にどのような傾向があるかが一目でわかるようにした。

 以上三段階の流れを示したのが、以下の図である。