一連の取り組みを適切に行えるように、アンソニーは経験豊富なイノベーターたちから引き出した多くの知識を基に、実用的なチェックリストを作成している。

1.経験と学習意欲を持った少数精鋭の専担チームが、イノベーション推進の先頭に立っているか。

2.専担チームは見込み顧客を深く知るために、十分な時間をかけてじかに接してきたか。

3.顧客ニーズに応える斬新な方法を検討するに当たり、他業界や他国の状況を調べたか。

4.最初の顧客は誰か、その後に顧客数をどう増やしていくのか、チームははっきりと道筋を示すことができるか。

5.チームの構想は、会社の大きな競争優位を活かす戦略的分野を踏まえているか。

6.ビジネスモデル案の中身は詳しい説明がなされているか。

7.製品やサービスの収益予想は、信頼に足る前提に基づいているか。

8.チームメンバーは、その前提が成り立つための条件をすべて把握しているか。

9.不確実な条件すべてを重要なものから順に検証するために、プランを作成してあるか。個々の検証に関して、明快な目的、前提、実行策を決め、具体的な予測をしてあるか。

10.固定費が大きいせいで軌道修正の足枷になる心配はないだろうか。

11.チームは速やかに試作品を作成して、行動意欲を示しているだろうか。

 このリストは特に、イノベーションに不慣れな小規模企業の役に立つ。そしてチームと支援役の幹部の双方が、このチェックリストを利用すれば、最も根本的な問い――「この新規プロジェクトを、これ以上進めるべきか」に答えが出せるようになり、自分たちの取り組みが軌道に乗っているか否かを確認できるようになるかもしれない。

 結局のところ、「人材か、それともプロセスか」の問いに対する答えは「両方」だろう。有能な人材がまずいプロセスの犠牲になる恐れもあれば、消極的な人材が賢明なプロセスによって奮起する可能性もある。理想的な世界では、優れた人材が、その才能に完全に適したプロセスを通して革新的なアイデアを追求できる。だが現実の世界では、完璧ではない人材が、得られる助けをすべて利用するのが賢明だ。

HBR.ORG原文:Is Innovation More About People or Process? February 27, 2015


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アンドレア・オバンズ(Andrea Ovans)
ハーバード・ビジネス・レビューのシニア・エディター