外交的協働ができるか?

 第二モードでは、緑と青のある特定の部分をインタアクトする主体として、共に4ボックスに入って協働する。このモードが想定する典型的なケースは、たとえば、緑(買収側の日本企業)と青(買収された外資系企業)双方の海外拠点同士や、対応する事業同士が、インタアクトする主体となる場合である。そのような緑と青の主体が代表選手を出して共同プロジェクトをすすめるのが、外交的協働が成立する典型的な場面である。

 そういう場面では、各主体は緑あるいは青という母体組織への帰属を継続しながらも、ある程度独立した主体として協働し、インタアクションの質を向上させるように努める。

 インタアクションの質を向上させるために、第一モードの相互理解を土台としつつ、両主体の間の「付き合いのお作法」を形成していく。その際、それぞれの帰属組織の設計図で、インタアクションに関連した部分に加筆し、そこがインタアクション上のお作法のポイントとなる。組織によって異なるが、主なポイントは次の4つになるだろう。

1.ゴール

 まず、ゴールの合意だ。ミッションやビジョンも排除されないが、このモードでは、なるべく具体的なゴールの形で表現し、合意することが望ましい。具体的なゴールとして典型的なのは、事業のバリューチェーンや本社機能や経営人材などに関連するものである。たとえば、事業のバリューチェーン関連では、「XX製品を開発する」とか、「YYについて共同の調達・購買を実現する」とか、「相手の商品を自社のチャネルで流通させる」などである。

 本社機能と経営人材関連では、両者をあわせたものとして、「経営人材開発プログラム」や、それを支える「人事制度」を設計するといったものがある。

2.組織構造・役割、タレントマネジメント

 続いて、協働における役割とその関係、参加メンバーの選定について合意する。

 役割分担については大きくわけると二つの場合がありえる。
 一つめは、両者が対等な立場で、協働するような場合だ。たとえば、製品開発において、お互いが得意な技術を持ち寄る場合などである。

 二つめは、一方が相手から学ぶ、つまり先生と生徒という役割設定だ。たとえば、経営人材の開発プログラムと関連する人事制度の設計について、欧米型のグローバル統合のモデルをつくろうとする場合、青の側に一日の長があれば、緑の側が青の側から学ぶという形になるだろう。

 その役割を明確にしたうえで、協働するリーダーとメンバーを選ぶ。特にリーダーの選出については、緑と青の役割により、双方からリーダーを出すか、片方からリーダーを出すかが決まってくる。

 さらに、それらのリーダーが、当該プロジェクトへの専任である場合と、母体組織の役割との兼任である場合があり、それがプロジェクトの自律性・独立性に影響する。リーダーにどういう権限を付与するかにもよるが、双方から兼任のリーダーを出す場合に自律性・独立性がもっとも弱くなり、単独の専任リーダーの場合が最も強くなる傾向にある。自律性・独立性が高まると、組織統合を射程にいれる第三モードの構造的なインタアクションに近づく。