その仮説は、バイアスがかかっていないか?

例1. オンラインメディア vs. オフラインメディア
「一人の人が使える時間は有限である。TVを多く見る人はオンラインメディアへの接触が短く、オンラインメディアに多く接触する人はTVを見ない。メディア接触はゼロサムである。」一方でこういう説明はどうだろう。「情報にどん欲な人は、TVもwebも積極的に利用する。時間の有限性は複数のメディアを同時に利用し解決される。」

 前者であれば、TVとオンラインの利用は負の相関、後者であれば正相関になる。

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シングルソースパネルによる生活者メディア接触分析 (Google 自主調査2013年)

 この結果が示すように、TV視聴行動とオンライン利用行動は無相関、つまり、TVを視聴する行動とオンラインメディアを利用する行動に関連は無いのである。逆にいえば、TVを沢山みてオンラインに多く接触する人もいれば、TVは沢山見るがオンラインにはあまり接触しない人もいる。前述の仮説はどちらも正しいが、全体を言い当てたものではなかったとなる。

例2. パソコン vs. スマホ
 日本全体でパソコンの普及率は88%、スマートフォンの普及率は46%にのぼる(Google Connected Consumer Survey 2014)。では、YouTubeで動画を見る時、パソコンとスマホをどのように使い分けているのか? 「外はスマホ、家はパソコン」か? 「家でも外でもスマホ」なのか?

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シングルソースパネルによる生活者メディア接触分析 (Google 自主調査2014年)

 パソコンとスマホの両方所有者であっても、全員が YouTube を両方のデバイスで視聴するわけではない。ほとんどの視聴がスマホに移行してしまう人も、スマホはあるがほぼパソコンで見るという人も同様に存在している。意外なのは、対象者は両方の端末を所有しているにも関わらず、両方を利用する人は多くはなかったことだろう。