記録を見ると明らかになる、人の記憶のあいまいさ

 ではなぜ、記録ベースなのだろうか。広告の接触/非接触は、事後にアンケートで取得すればよいのではないかと思う人もいるかもしれない。そこで、かつてグーグルで実施した実験結果を紹介する。下記のチャートは、事前に行動ログデータから広告接触が認められた人を100とした時に、アンケートで個々の接触者に対して、その広告を見たかどうかを聞いた結果である。

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Google 自主調査2011年。 TVは5キャンペーン平均値/バナーは12キャンペーン平均値

 また、行動ログデータから広告に接触していない「広告非接触者」に対し、アンケートでその広告を見たかどうかを聞いた結果は次の通りである。行動ログデータでは接触が認められないにも関わらず、そのCMを「見た」と回答する非接触者も多く存在した。

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Google 自主調査2011年。 TVは5キャンペーン平均値/バナーは12キャンペーン平均値

 このように、人の記憶に頼ったアンケート調査は不確実である。それをあたかも正しいデータとしてマーケティング戦略を立案し、投資を決定するのは危うい。

 シングルソース化された行動ログデータ分析の大きな価値は、クロスメディアでのメディア接触をより正確に把握できることであるが、それは、マーケター心理に内在するバイアスをデータで正すことにもつながる。では、その具体例を紹介する。