我々の調査では、インタビューを受けて紹介先を1人でも挙げた総勢600人のうち35.2%、そしてインタビューを受けた総サンプル数1147人のうち18.4%(211人)が、少なくとも1つの類似分野を紹介した。211人それぞれが、自分の専門とは異なる分野の専門家を最大7人まで紹介したのだ。この事実は、類似分野に知識源の宝庫が存在する可能性を示している。

 しかも最高レベルの専門家は、類似分野の人を紹介する傾向が格段に高かった。また、類似分野の専門家を紹介した人たちの40.2%は、自身の専門からかけ離れた分野の人を挙げた。この結果は好ましい。なぜなら分野が当該の問題から離れていればいるほど、斬新なアイデアが得られる可能性が高まるからだ(前回の記事を参照)。

 我々が関わった、前述のフォークリフトの事例で説明しよう。最初にブレーンストーミングをして、出発点として有望な人物を複数特定した。その中にはトラック搭載型フォークリフトのヘビーユーザーである某物流会社のオーナーがいた。ここから、農業用トラクター向けの機械搭載システムのメーカーにつながり、最終的にはエンターテイメント・イベント業界の人物に行き着いた。この人はショーやコンサートの舞台装置を安全かつ迅速に設営・撤去する方法について、膨大な知識を持っていた。フォークリフト製造会社は、干し草の山から針を見つけ出したといえる。両業界は大きく異なるが、イベント向けの技術的ソリューションは、少し変更を加えるだけでフォークリフトの問題解決に転用できたのだ。

 別の事例では、我々は在庫管理会社と協働して、部品の追跡・管理を改良するアイデアを探した。出発点となった1人はロボット・サッカーを取り上げたことのあるジャーナリストで、そこからサッカーロボットの開発者につながった。ロボット用の自己定位センサー技術が在庫管理に容易に転用できることが判明し、最終的に在庫追跡システムの改善に役立った。

 これらの企業が従来の方法で知識を探していたら、類似分野からのアイデアにはおそらく手が届かなかっただろう。

 ひとたびピラミッド探索を試してみると、人々と知識についての考え方が一新される。今や我々は、専門知識を探すうえでこの手法を大いに頼りにしている。ある時、我々は「アダプティブ・コンジョイント分析」として知られる市場分析方法の専門家を必要としていた。そこでピラミッド探索を実施し、世界各地の人々とつながった。最終的にたどり着いた専門家のオフィスは、我々の研究所の2階下にあった。ピラミッドは時々、奇妙な形をとることもある。


HBR.ORG原文:Find the Right Expert for Any Problem December 16, 2014

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マリオン・ポエッツ(Marion Poetz)
コペンハーゲン・ビジネススクールのイノベーション・組織経済学部准教授。

ラインハルト・プルゲル(Reinhard Prügl)
ドイツのツェッペリン大学教授。イノベーション、テクノロジーおよびアントレプレナーシップを担当。