各グループとも、自身の専門分野よりも他の分野に対する解決策のほうがはるかに斬新であった。

 類似分野から創造的なソリューションがもたらされた好例がいくつかある。たとえば10年以上前、3Mは外科手術に伴う感染症を予防する目的で、画期的な製品コンセプトを開発した。そのきっかけになったのは、顔面皮膚感染の予防に精通している舞台メークの専門家から得た知見だった。我々自身の調査から実例を挙げれば、在庫追跡管理のソリューションを必要としていた某企業は、サッカーをする小型ロボットのセンサーからアイデアを借用した。また、あるエスカレーター製造会社はショッピングセンターのエスカレーターの設置方法を考えるに当たり、鉱業で使われているソリューションを取り入れた。

 我々は企業の人々から、「アイデアや専門知識を活用できる類似分野をうまく見つけるには、どうすればよいか」という質問をよく受ける。確かにそれは難しい。我々がマネジャーたちに助言したい第1のポイントは、目の前の問題と強く関連する分野だけを見るのではなく、深層構造に共通点がある限り、より離れたところまで探索を広げるということだ。

 離れた類似分野を特定するには、探索を開始する前に問題の深層構造を明らかにする必要がある。ディテールを取り除き、「問題の本質は何か」とみずからに問いかけるのだ。そしてその本質を、類似市場の潜在的な解決者たちが自身の知識に関連づけられるような形で提示する。

 たとえば、ある都市のために斬新な交通工学のソリューションを探し求めているとしよう。その説明が専門的すぎて自分の業界でしか通じないようであれば、離れた分野からの提案を阻むおそれがある。したがって、問題を広い枠組みで捉え表現する必要がある。たとえば、「複雑なシステムにおいて諸要素がスムーズに流れるよう調整する」方法を探し求めている、といった具合だ。そうすれば、医師や循環系の研究者から専門知識を提供してもらえるかもしれない。

 次に、離れた分野にいる知識提供者を探索する方法として、有効性が実証されているものを実践してみよう。「ピラミッド探索」は、誰かに有識者を紹介してもらい、その人に別のもっと詳しい有識者を紹介してもらう。これを繰り返し、最後に「知識ピラミッドの頂点」――最も有用な専門知識を持つ人――にたどり着くという手法だ(英語論文)。一方、「ブロードキャスト探索」は、問題を広範囲に伝えて、ソリューション提供者がみずから名乗り出やすいようにするものだ(英語論文)。