2006年に創業されたリブセンスは、インターネットで求人、不動産、中古車の情報を提供する企業である。業界最大手のリクルートと似ているが、リクルートが「掲載課金型」であるのに対して、同社は「成功報酬型」のビジネスモデルである。求人では、アルバイトと転職情報を提供しているが、ウェブへの掲載は無料であり、採用できた段階で採用企業に利用料が課金される。また就職できたユーザーに、採用決定時に「お祝い金」が出る。実はこの祝い金システムによって、採用企業がリブセンスに成果を報告しなかったり、直接採用に切り換えるリスクも低減している。不動産では、広告のウェブ掲載は無料で、物件への問い合わせが入る都度、利用料が課金される。一方消費者へは、入居が決まった段階でキャッシュバックがある。

 リクルートに代表される従来の情報サイトは「掲載課金型」であり、採用できなくても、不動産に問い合わせがなくても、情報を掲載するだけで費用が発生した。成果ゼロの場合、その費用は掛け捨てとなった。しかしリブセンスのモデルは、成果ゼロなら費用ゼロ、成果に応じて利用料を課金する成功報酬型である。SEO(検索エンジン最適化)技術を駆使したサイトへの集客力を活かし、営業コストを抑え、その分利用料も安くなることから、企業側は低リスク、低費用で広告を掲載できる。

 現状リクルートは、リブセンスの成功報酬型に同質化を仕掛けていない。その理由として、リクルートはこれまで、「効果があるから」と言って掲載料をもらってきたのに、「効果があったら成功報酬を下さい」ということになると、今までの論理が崩れてしまうからである。

④事業の共喰化

 事業の共喰化は、リーダーが強みとしてきた製品・サービスと共喰い関係にあるような製品・サービスを出すことによって、リーダー企業内に追随すべきか否かの不協和を引き起こす戦略である。

 スーパーホテルは、「ビジネスホテル滞在中はほとんどの時間は寝ている」ということから、安眠にはかなりの投資を行う反面、不必要なサービスは徹底的に削ぎ落とした。ベッドはゆったりした幅広サイズ、ドアを重厚にして室内は図書館と同じレベルの静寂さを確保している。寝心地に直接関係する枕は、客が自由に選べるようにしており、フロントから自室に向かうに連れて、照明の照度を落とすことで眠りに誘導している。一方で安眠と無関係なものは大胆にカットした。携帯が普及する中で、室内電話は撤去、冷蔵庫も中は空。ベッドの脚も、清掃コストがかかるので取り除いた。