企業の持つ資産には、企業側に蓄積された「企業資産」と、顧客側に蓄積された「市場資産」(製品、ソフトウエア、企業イメージ等)の2種類がある。リーダー企業がこれらの資産を「持っている優位性」が、戦略の足枷になる現象を「資産の負債化」と呼んでいる。下位企業が採るべき戦略を考えるためには、リーダー企業に「不協和を起こさせる方法」と、「負債化させる資産の種類(企業資産か市場資産か)」を考える必要がある(図表2)。

 

 縦軸に関して「競争優位の源泉を攻める」とは、リーダー企業が同質化したいが、直ちには同質化できないような資源の組み替えが必要な状況を生み出すことである。競争上重要な役割を果たしている資源であればある程、リーダーの不協和は大きくなる。

 また「新たな競争要因を加える」とは、今までにない新たな競争要因を加えることによって、安易に同質化すると、リーダーのこれまでの戦略と矛盾が生じ、リーダー企業に不協和を生じさせる戦略である。そして各象限の戦略を、①「企業資産の負債化」、②「市場資産の負債化」、③「論理の自縛化」、④「事業の共喰化」と呼び、リーダー企業に不協和を発生させる戦略について、以下順に述べていこう。