共生

 経営資源が劣る企業のもう1つの選択肢として、より強い企業と共生し、攻撃されない状況を作り出す方法がある。リーダー企業にとって、当該企業に同質化をしかけたり、攻撃するよりも、当該企業と手を組む方が得になる場合、両社間に共生が成立する。

 例えば、セブン銀行はATMに特化した銀行であるが、競合行はセブン銀行と提携し、セブン銀行のATMで自行のキャッシュカードが使えるようにし、同時にコスト削減のために自社のATM店舗を縮小している。こうした戦略を、「協調戦略」と呼ぶ。

 以上述べた「競争しない競争戦略」を図示すると、図表5のようになる。

 

写真を拡大
図表5

 本連載では、2回目にニッチ戦略、3回目に不協和戦略、4回目に協調戦略を説明していく。

 

●参考文献

・Kim W.C. and R.Mauborne(2005)Blue Ocean Strategy,Harvard Business School Press(有賀裕子訳(2005)『ブルー・オーシャン戦略』ランダムハウス講談社)
・Kotler P.and G.Armstrong(1989)Principles of Marketing:4th. Edition ,Prentice-Hall(和田充夫・青井倫一訳(1995)『新版:マーケティング原理』ダイヤモンド社)
・Porter M.E.(1980)Competitive Strategy: Techniques for Analyzing Industries and Competitors,Free Press(土岐 坤・中辻萬治・服部照夫訳(1982)『競争の戦略』ダイヤモンド社)
・Porter, M. E. (1985)Competitive Advantage: Creating and Sustaining Superior
Performance,Free Press(土岐 坤・中辻萬治・小野寺武夫訳(1985)『競争優位の戦略』ダイヤモンド社)
・嶋口充輝(1986)『統合マーケティング』日本経済新聞社
・Perry L. T. (1990)Offensive Strategy, Harper Business(恩蔵直人・石塚 浩訳(1993)『攻撃戦略』ダイヤモンド社)
・山田英夫(2015)『競争しない競争戦略』日本経済新聞出版社、近刊